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2013年11月7日

第1回 世界農業遺産とは

食べ物に対する消費者のニーズが多様化するにつれて、食品生産者からは工夫された食べ物が提供されています。こうした食べ物の中には、消費者の要望にあった潜在的なヒット商品があるかもしれません。  
一方、これらの工夫された食べ物の様々な情報を入手、理解することは、スーパー等食品関連事業者の方にとり容易なことではありません。
連載「知る人ぞ知る 新鮮食べ物情報」はこうした工夫された食べ物、特徴のある食べ物の情報を、食品スーパーを始めとする流通関係の皆さんにお届けするシリーズです。1回~3回は「世界農業遺産」に認定された環境の中で育成された食べ物を紹介します。

 

1.農業にも世界遺産がある

 

株式会社パデセア
代表取締役社長 黒柳 要次 氏

1982年 広島大学工学部構造工学課程卒業、1982年 三井造船。海外プラント設計 環境装置設計担当、1987年 ㈱長銀総合研究所 主任研究員、1998年 ㈱イーエムエスジャパン代表取締役社長、2007年 現職
著書
「食品表示検定認定テキスト・中級」ダイヤモンド社 共著、「環境社会検定(eco検定)ポケット問題集」技術評論社 共著、「食の目利き検定」(食品表示検定初級)共著 他多数

 世界遺産に富士山が登録されて大きな話題となりましたが、農業にも世界遺産があることをご存知ですか?世界農業遺産は、正式名称を「世界重要農業遺産システム(GIAHS)」といい、食糧の安定確保をめざす国連食糧農業機関(FAO)が次世代に継承すべき伝統的な農業のシステムを認定しその保全と持続的な利用を図るものです。一方、世界遺産は同じ国連のユネスコ(教育科学文化機関)が登録し、遺跡や歴史的建造物などの「不動産」を保護する事を目的としています。

 

 これまで日本では2011年に新潟県の佐渡と石川県の能登が世界農業遺産に認定されていました。そして国連食糧農業機関(FAO)の国際会議が、2013年5月に石川県七尾市で開催され、国内の3地域が世界農業遺産の新たな地域として認定されました。現在、世界11カ国25地域が認定されていますが、先進国で認定を受けているのは日本のみです。

 

 世界農業遺産は、農薬の適正使用、農地の転用を制限するものではなく、自然を守るための活動義務を課すものではありません。また、国連からの支援や補助がある訳でもありません。しかし世界的に見て、後世に残すべき農法と認められた価値あるものです。生産された農作物は、他の農法で作られたものと見た目は同じものですが、消費者の皆さんには世界農業遺産の農法で生産された物として、その背景に想いを巡らせていただければと思います。

2.世界農業遺産に登録された国内5地域

 

 世界農業遺産に登録された国内5地域と概要は以下の通りです。

 

(1)新潟県佐渡地域
 佐渡は山や深い森に恵まれ、豊かな生態系が維持されています。トキの餌場となる水田では、冬期湛水など「生きものをはぐくむ農法」とその米の認証制度を推進しています。

 

佐渡島のトキ

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