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第10回

2012年6月11日

お盆明けから始まった市場の急速な変化

吉田 芳弘

ウジエスーパー取締役
吉田芳弘 よしだ・よしひろ
大学卒業後リクルート入社、平成16年からウジエスーパー勤務。 現在、総務・人事・広報の他に、障害者特例子会社を経営している。 東北経済産業局農商工連携伝道師など、公職多数。

震災後は、ディスカウントの嵐

 

 震災後の数カ月間は瞬く間に過ぎていった。

 

 当初の混乱が収まり、全国各地や世界から支援の人たちや物資が入り始めると、生きるか死ぬかという極限状態から脱し、急速に通常の状態に戻り始めていた。

 

 私たちも、災害時の緊急態勢を解いて、元の営業状態に戻す必要があった。

 

 壊れていたものを修復、あるいは交換し、物流や勤務体制なども改めて整備し直した。

 

 取引先がなくなってしまったり、商品のニーズが変わってしまったりして、まったく震災前の状態と同じというわけにはいかず、いろいろ手直しも必要だったため、回復には少し時間もかかったが、概ね、順調に復興への道を歩み始めたと言っていいだろう。

 

 このまま、震災前の状態をやがて取り戻すだろうと思っていたら、そうではなかった。

 

 お盆明けになると、突然、状況が大きく変わったのだ。きっかけは、A社が仙台の店舗をハードディスカウント業態に転換し、強力に価格攻勢をしかけてきたことに始まる。これに呼応するかのように、山形県を中心に展開する総合小売のY社が、宮城県内に立て続けに新店をオープンさせた。

 

 こうした、県外からの流入組の動きに対し、宮城県地域でトップシェアを持っていたイトーヨーカ堂・ヨークベニマル連合も、対抗上、徹底的なディスカウントを打ち出すことになった。

 

 ついこの間まで、チラシを打たず、セールをしなくても、お客さまはどんどん訪れ、店頭に並べたものが面白いように売れていった状況が3カ月で一変してしまった。

 

 いま宮城県はディスカウントの嵐である。

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