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第4回

2012年4月13日

困難を極めた状況確認作業

吉田 芳弘

「地域のライフラインとして」なすべきこと

 

ウジエスーパー取締役
吉田芳弘 よしだ・よしひろ
大学卒業後リクルート入社、平成16年からウジエスーパー勤務。 現在、総務・人事・広報の他に、障害者特例子会社を経営している。 東北経済産業局農商工連携伝道師など、公職多数。

 本社に戻ると、経営幹部以下、すでに集合し、震災直後から泊まり込みで事態の把握に動いていた。

 

 けれど、現地の人ほど情報がない。地元のテレビ局やラジオ局も被災しているし、情報を取りに行く手段もない。道中、カーラジオなどを聞きながら戻ってきた私のほうがよほど情報を把握していたのは皮肉だった。

 

 ともあれ、主だった経営幹部がそろったところで、私たちは、緊急対策をどのように進めるか、改めて協議した。

 

 まず、社長が中心になって緊急対策本部を立ち上げ、

 

 「地域のライフラインとして、住民の生命線である食を守ることこそ、いま私たちがすべきことだ」

 

 という決意のもと、店の継続を最優先させることを決めた。

 

 そのために、商品部が中心になって、当面必要となるだろう水や缶詰、カップ麺、電池など緊急物資を、あらゆるネットワークを駆使して確保するために動いた。

 

 一方で、人事部長である私は、従業員の安否確認、店の状況確認を担当することになった。

 

 とくにかく、情報の把握が先決。電話が通じないので、手分けして車を走らせ、マンパワーで情報を収集するしかない。

 

 そうして各店の情報が集まりだすと、徐々に被害の様相がわかってきた。

 

 困難を極めた、従業員の安否確認

 

 とくに被害が大きかった沿岸地区では、南三陸町の志津川駅前店が津波で完全流出、石巻のユーマート石巻店が1mの床上浸水、同じく山久店が駐車場まで水に浸った。

 

 その他の店も、天井が崩落するなどのなんらかの被害を受けた。比較的に軽微な被害で済んだのは3店のみで、その店も含めて、全店で断水、停電し、棚が倒れて商品が散乱、足の踏み場もない状態である。

 

 施設の状況はそうして徐々に判明したが、大変だったのは、従業員の安否確認である。

 

 その当時、当社は正社員だけで240人、パートナーさんを入れると1800人、グループ会社総勢では2000人に達していた。

 

 普通の状態でも、その全員と連絡をとろうとするのは簡単なことではない。まして、未曾有の大災害の中である。安否確認は困難を極めた。

 

 自宅の電話は当然誰もでない。唯一の通信手段である携帯電話は、こんなときに限ってまったくつながらない。避難場所に確認に行ければいいのだが、誰がどこに避難したのか、さっぱりわからない。

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