ファーストリテイリング 2015年度上期決算発表会実況中継(上)

2015/04/11 00:00
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 4月9日にファーストリテイリング(山口県/柳井正社長)が2015年8月期上期の決算(IFRS)を発表した(@東証アローズ)。柳井社長は、今、何を考えているのか? 今日明日の2回にわたって実況を中継する。(談:文責・千田直哉)

 

 2015年8月期上期は計画を上回る大幅な増収増益を達成した。

 

 ●売上収益 9496億円(対前期比24.2%増)

 ●営業利益 1500億円(同40.2%増)

 ●親会社の所有者に帰属する四半期利益 1047億円(同56.2%増)

 

 上期を振り返ると【海外ユニクロ事業】が高い成長を継続している。

 売上収益は3455億円(同48.9%増)、事業利益は431億円(同59.0%増)、営業利益428億円(同63.2%増)だった。

 とくに中国、台湾、香港のグレーターチャイナおよび韓国のユニクロの業績拡大が続いている。中国は冬物コア商品の販売が順調。旧正月商戦も好調で既存店舗売上高は増収。台湾は既存店舗売上高が2桁の増収だった。韓国も既存店舗売上高が2桁増だった。

 我々は世界中の国に出るときにその国の人に本当に喜ばれるブランドになりたいと考えている。それを追求しており、そこが受け入れられたと思う。

 東南アジアはほぼ計画通りの増収増益。オーストラリアは3店舗の新規出店による経費増加と初めての春夏商売が苦戦し売上が下振れし、計画を下回り減益だった。

 米国は秋冬商品の立ち上がりが遅れ、既存店舗売上高は計画を下回り、新規店舗の売上も計画未達だった。シーズン末での在庫処分が増加し、粗利益率が低下。店舗数が22店舗(期末店舗数39)拡大したことによる経費増などがあり、赤字幅が拡大した。赤字ではあるが、出店を大幅に加速させたことで、ユニクロの存在感が国内で高まっている。

 欧州は、ほぼ計画通りの増収増益。英国とフランスは既存店舗が増収、利益は計画を上回った。ドイツは計画未達。ロシアは事業利益が増益だったが通貨危機によって営業利益は計画を下回った。

 インドは本格的に付き合い始めた新しいサプライヤーから出荷があった。それ以外はまだ決まっていない。インドに関しては中国同様に本格的に取り組まないと中途半端にはできない。今は準備中だ。

 

【国内ユニクロ事業】は、コア商品を中心に売上が好調。売上収益4545億円(同12.1%増)、事業利益886億円(同26.8%増)、営業利益894億円(同24.7%増)と大幅な増益を達成できた。既存店舗売上高は対前期比8.4%増。インナー部門でヒートテックエクストラウォームの構成が高まったり、アウター部門やボトムス部門でも比較的単価の高い商品の販売が好調だったため、客単価は同10.2%増だった。客数は同1.6%減に終わった。スクラップ&ビルドによる店舗の大型化で1店舗当たりの売上は増加している。

 また、グローバル旗艦店の「UNIQLO OSAKA」(大阪府)やグローバル繁盛店の「吉祥寺店」(東京都)を出店した。

 我々は真面目に真剣に服をつくり、売っているという自負がある。とくに日本のお客さまは、世界でもっとも品質に対して敏感だ。だから、我々の服にバリューを感じてもらえる。

 それと今は節約志向。それはすべてを節約するということではなく、必要なものは店やブランドを選んで購入している。その中で我々が選んでもらっているのではないかと考えている。

 

【グローバルブランド事業】は、売上収益1482億円(同18.3%増)、事業利益123億円(同33.7%増)、営業利益117億円(同23.4%増)と計画通りの増収増益だった。

 ジーユー事業は、キャンペーン商品のニット、スカート、冬物アウターの販売が好調。また、ジーユーベーシックの販売も順調で既存店舗の売上は増収、粗利益率改善で増益に転換。日本のアパレル市場で確固たるポジションを確立している。

 セオリー事業とコントワー・デ・コトニエ事業は、計画を下回り若干の減益。プリンセス タム・タム事業は前年並みで計画通り。J Brand 事業は計画を下回り赤字幅は若干拡大した。

 

 通期では、過去最高の営業利益を予想する。

 

 ●売上収益 1兆6500億円(同19.3%増)

 ●営業利益 2000億円(同53.4%増)

 ●親会社の所有者に帰属する四半期利益 1200億円(同61.0%増)

 

【海外ユニクロ事業】は大幅な増収増益となる。グレーターチャイナと韓国の業績は好調を維持する。米国の赤字幅は拡大する。通期の海外ユニクロ事業の出店数は200店舗に上る見込みだ。

 

【国内ユニクロ事業】は増収増益を予想する。通期の既存店舗売上高は同5.5%増、下期では約1.5%増と計画。原価のコストアップなどにより、下期の営業利益は同横ばいを予想する。

 

【グローバルブランド事業】は増収増益。ジーユー事業は通期で増収増益、ジーユー事業は、通期で増収増益、営業利益率も改善を見込む。セオリー事業など、その他のブランドは前年並みの業績を予想する。

 

 2015年秋冬物商品から約2割の品番数で価格を見直す。全体として平均1割程度の単価アップとなるだろう。

 その背景には、①円安によるコストアップ、②原材料の長期的上昇、③生産国における人件費の上昇がある。

 しかし、この値上げは売上には影響を及ぼさないと思う。というのは、現在、日本は世界で一番低価格で販売しているからだ。品質ダウンはさせず、よりよい品質をめざしたい。

 お客さまが服を購入される要素はバリューにあると思う。だから、これまで以上に、付加価値を高めた商品をお値打ち価格で提供していきたい。

 なぜ、今の時期に値上げの発表するのかと言えば、我々は「BADNEWS FIRST(悪いニュースをもっとも先に)」を実践しているからだ。

 お客さまにとっては決していいニュースではないが、今の為替レートで行けば、やむを得ないということを最初にお客さまにお伝えしたかった。 

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