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第2回

2009年10月10日

ネットスーパーの実態:商圏をめぐる激しい攻防

畑中 正吾

大手GMSによる首都圏のネットスーパーの実態とは

 

 株式会社イトーヨーカ堂(本社:東京都千代田区)は、IYネットスーパーを展開し、爆発的な勢いで展開エリアを拡大している。しかも驚くべきことに、IYネットスーパーを利用者が、イトーヨーカドーの店舗利用者全体の約四分の一にも相当する(表1)。

 

 

 これは2009年2月に行ったアンケート調査の結果であり、東京・神奈川・埼玉・千葉の話だ。しかしこの1都3県におけるイトーヨーカドーの存在感は巨大で、各都県で普段使うスーパーの利用者数の1位(神奈川、埼玉)あるいは2位(東京、千葉)となっている。その人数の24.0%がIYネットスーパーを利用しているわけだから、いかに莫大な数字かがわかる。

 

 その商圏の拡大効果も目を見張るものがある。IYネットスーパー利用者のうち、27.5%が新規客なのだ。つまり、ネットスーパーを開始したことによって、同社は大量の顧客を獲得したことになる。もちろんこの傾向はIYネットスーパーに限らず、ネットスーパーを展開している全てのSM, GMSに当てはまる。

 

 角度を変えて見てみると、IYネットスーパー利用者の72.5%は普段からイトーヨーカドーの店舗を利用しているということになる。つまり、もともと来店していた顧客がネットスーパーを便利なツールとして捉えている様子が読み取れる。たとえば、天候が悪いときや子どもの急な発熱、買い忘れ商品の追加購入など、店舗に出向けないときあるいは出向くのが億劫なときに利用されているのかもしれない。

 

 

 

消費者の期待感も高いネットスーパーの存在

 

 消費者がSM, GMSに求める条件は、距離が近いことであり、商品に関わる価格や品質を圧倒的に上回っていた(第一回参照)。このニーズをうまく拾っていたのが、手の届く距離にあるコンビニエンスストア(CVS)であり、もっと近づく方法がネット通販といえる。ネット通販はインターネット上で買物をするため、消費者が購入する場所は自宅だ。さらに近い将来、より簡単に携帯電話やテレビなどから接続できるような、インターネットインフラが進化すれば、どこからでも、例えば出先や移動中でさえ、買物ができるようになる。立場を変えれば、最も近い場所、つまり消費者の手の中で開店することができるのだ。

 

 実際、ネット通販の売上規模は年々増加しており、2008年度で6兆円強とCVSの売上(8兆円弱)に迫る勢いだ。こうした追い風を背景にして、ネットスーパーの市場規模は増え続けている。また全国でネットスーパーの利用希望率は71.6%であり、消費者の期待感も大きい。

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