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第4回

2010年1月29日

ヨーロッパにおけるPBの成長戦略
―インターナショナルPBコンサルティング Mr. Koen Jongに聞く―

中村 博

 連載企画「今後のPB」。第4回目は現在欧州で活躍するPBコンサルタントKoen De Yong氏が登場。欧州プライベートブランド(以下PBとする)市場の変遷をヒントに日本PB市場の今後を探る。同氏によると、現在の日本PB市場は15年前の欧州PB市場に酷似するという。PBに精通する中央大学 ビジネススクール教授の中村博氏をインタビュアーに迎え、千変万化のPB市場を真正面から考える。

 

中村:

 まず、ヨーロッパのPBの状況について教えてください。

 

Koen:

 現在のヨーロッパのPBシェアは約25%です。世界の中でも最もPBシェアの高い地域です。北アメリカが約16%、アジア地域は約4%といわれています。ヨーロッパだけを見れば、スイスのPBシェアが最も高く、約40%です。次いで、イギリスが約37%、ドイツが約35%、ベルギーが約30%、フランスが約25%です。イギリスのPBシェアは飽和感がありますが、スイスやドイツ、フランスのPBシェアは増加傾向にあります。これは、スイスの生協が強いことや、ドイツのAldi(ドイツに基盤を置くディスカウントストアのチェーン企業)のようなディスカウンターがPBを強化しているためです。

 

中村:

 ヨーロッパの小売業がPBシェアを高める理由は何でしょうか?

 

Koen:

 最も大きな要因は小売業の上位集中化です。イギリスでは小売業の売上高のシェアは上位5社が約40%を占め、ドイツやフランスでも約30%~35%に達しています。これらの小売業は競争激化の中でPBによって企業間の差別化を図り、企業イメージを良くし、その結果、ストアロイヤルティを高めようとしています。また、それ以外の要因としてナショナル・ブランド・メーカーに対する小売業の交渉力の強化が挙げられます。PBを導入することによって、製品のコスト構造が把握でき、メーカーに対して原価引き下げの要求を合理的に行うことが可能となるからです。

 

中村:

 日本のセブン&アイは、国内だけでなく海外の店舗でも自社PBのセブンプレミアムを販売し、その販売力を強化しようとしていますが、ヨーロッパではどうでしょうか?

 

Koen:

 大手小売業がPBを強化している理由には、PBの海外展開や他の小売企業への販売が挙げられます。例えば、スイスの小売業MigrosのPBである“Swiss Delice”というパスタは、Migrosだけでなく、Sainsbury's(英国の小売業)やDelhaize(ベルギーの小売業)でも取り扱われています。また、Carrefour(フランスの小売業)のPBは世界中のCarrefourの店舗で販売されています。また、ドイツのAldi、オランダのAlbert Heijnなど多くの小売企業がPBを輸出の商材として導入しています。

 

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