高知の空港に降り立ってみれば

2013/07/23 00:00
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 夏休み中ですけれども1本アップいたします。

 

 高知県を訪れたのは1995年以来のことだ。

 

 いきなり驚かされたのは、降り立った空港の名前である。以前は、「高知空港」だったはずなのに、今回は「高知龍馬空港」になっていた。

 即座にスマートフォンで調べてみれば、現在も正式名称は「高知空港」なのだが、2003年に愛称として「高知龍馬空港」としたとある。

 

 アメリカには、「ジョン・Fケネディ国際空港」(ニューヨーク州)、「ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港」(ルイジアナ州)、「アーノルド・パーマー地域空港」(ペンシルベニア州)など人名を冠した空港は当たり前に存在するが、日本では、「高知龍馬空港」が初めてなのだという。

 

 ついでにスマートフォンのキーを叩いてみれば、日本でも変わった空港名がなんと増えていることか。

 

 2012年に愛称名をつけたのは「富山空港」だ。「富山きときと空港」という。「きときと」とは富山弁で「新鮮な」の意味。なかなか聞きなれない言葉ではあるが、富山県には「氷見きときと寿司」という回転寿司チェーンがあるくらいで誰もが知る方言らしい。

 

「米子鬼太郎空港」(鳥取県)というのもある。この空港は、航空自衛隊の美保基地の滑走路を利用する共用飛行場のため、実名は「美保飛行場」。そして通称名が「米子空港」。2010年、鳥取県境港市が輩出した漫画家水木しげるさんが生み出した妖怪「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんで愛称は「米子鬼太郎空港」となった。

 

 さらに「徳島飛行場」(共用:徳島県)は、通称が「徳島空港」。2008年から愛称として「徳島阿波おどり空港」を名乗っている。

 また、「岩国飛行場(岩国基地)」は「岩国錦帯橋空港」(2012年~)を、「対馬空港」(長崎県)は「対馬やまねこ空港」(2008年~)を、愛称として呼ぶようになっている。

 

 どんな理由があるのかは定かではないけれども、21世紀に入ってから「地名+空港」という無機的で制度化された名前が続々と変わっていることが分かる。

 

 最近は、人名もバラエティに富むようになっているから、自然の流れなのかもしれない。

 

 ただ、地元の思い入れとは裏腹に、愛称について、何の感情も抱かない私のような冷ややかな利用者がほとんどなのではないだろうか?

 実際に空港名を変えたことで利用者が増えたという話は寡聞にして知らない。
 

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