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第3回

2010年5月12日

MDの仮説・検証を繰り返し価格一辺倒ではない
「競争力」を持つ

石山 真紀

※前回の記事はこちら

 

1日で何回も変わる客層、時間帯MDへの取り組みで、どうとらえるか?

 

金田:

 魚総菜については、杉生さんのように鮮魚経験者が幹部にいたからこそできた。専門知識と経験を持った方がいるからこそ、意思決定や方針が打ち出せると感じるのですが……。

 

杉生:

 われわれが生き残るための戦略はどこにあるのか。それには人を育てて、一人ひとりがマルチに動くことです。駅前に主要なテリトリーがあり、これから郊外に出て行くしかない以上、他社と同じことをやっていては生き残れない。同質競争は体力勝負の価格競争を招くだけです。大手はいいかもしれない。でも大手もどこかで苦しくなるでしょう。極端な価格競争は続かないと考えています

 

 いま、売場では地産地消ということで、千葉県や埼玉県の地元の商材を展開しています。他のSMでは置いていないということで、よく売れています。そこに店を出している以上、その商圏の実情に徹して商売をしていかなければならない。

 

 先にお話したとおり、われわれの店では時間帯ごとに客層も変わります。例えば早朝は通学の学生や出勤客。それが午前7~8時に引くと、次はお年寄り。それが落ち着くと、今度は近場の主婦層が昼食に合わせてご来店。午後3時を過ぎると下校時の学生や、幼稚園の迎えのお客様がくる。夕方になれば兼業の主婦層、OLが晩御飯の買い出し。そのあとに、なんとなく侘びしさオーラのサラリーマンの軍団がくるわけです(笑)。午後10時を過ぎると男性客ばかりです。

 

 こうやって一日で何回も客層は変わります。求める商品も時間帯で、当然違ってくる。皆それは判っているのだけれど、そこに合わせられない。そんな悩みが時間帯MDを始めるきっかけでした。

 

 時間帯に合わせてどういった商品を置いていくのか。いわゆる販売面での品揃えを重視した考え方です。例えば夜になったら総菜ではおつまみ主体の居酒屋風景を演出する。最近の若い男性は甘いものも欲しがる傾向があります。ですからアイスクリームや和菓子、洋菓子などを総菜売場に関連させてみたりするわけです。

 

 そういったことを現場が工夫して検証し、その成果がナイトマーケットの形でできた。昼間に数字が落ちても夜だけは108~109%を保ったりしています。

 

土金:

 データ分析では、総菜の近くに何を置いたら何が売れるといった検証もしています。例えば、「お弁当」と同時購入する割合の高い「カップ麺」、「菓子パン」などを総菜コーナーに品揃えする。総菜売場の前にさまざまな特設売場を即席でつくり込むわけです。

 

金田:

 それは売場スタッフの判断で実行されるのですか?

 

杉生:

 われわれが指示する場合もありますが、基本的には、店側が工夫していろいろ取り組んでくれています。われわれの意見を現場で膨らませてよりよい状態をつくり出している。

 

土金:

 その結果、「こういうものをこの売場の前に置いたら、これくらい売れました」という報告がくるわけです。それが良いものであれば全店に導入してやってみます。

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