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第5回

2010年12月3日

イギリス、フランス市場近況

矢矧 晴彦

 10月末にイギリスとフランスの小売業を視察する機会があった。市場調査を行ったわけではないので網羅性や客観性は不十分だが、実体験に基づくレポートということでご容赦頂きたい。

 

イギリス

 

1) テスコの伸びの鈍化、競合企業の成長

 

 イギリスのグローサリー市場は、依然としてテスコが市場シェア30.8%でNo.1である。れに次いでウォールマート系のアズダが17.2%、かつてのNo.1企業セインズベリーが16.0%となり、モリソンズ、生協、ウェイトローズ、そしてドイツ出身のハードディスカウンターのアルディ、リドルと続いている。グローサリー市場での各企業のポジションには変化がないが、2010年に入ってからの対前年成長率を見ると変化が出てきている。

 

出典:Kantar Worldpanel, 2010年9月5日現在

 

 Kantar Worldpanelはイギリスの25,000世帯のスキャンパネルデータであり、月次で速報を無料で発表しているため、今回引用している。スキャンパネルデータから推計した各小売業の市場シェアの正確性には限界があるため、あくまでバランスを見る程度に留めておく。この情報源では、月次の対前年成長率を発表しているため、2010年1月度と8月度を載せている。どちらも

 

高成長企業
・コープ(生協)
・ウェイトローズ
・モリソンズ

 

低成長企業
・アルディ
・アズダ

 

 という傾向が出ており、テスコの成長率はその中間レベルの成長である。

 

 この傾向は2010年に入ってから顕著であり、かつてはテスコの一人勝ちの情況が続いていたが、その勢いに翳りが出てきたように見受けられる。

 

 モリソンズはセイフウェー買収前はイギリス中部以北を中心とした食品スーパーで、ロンドン近郊の人からは「あか抜けないチェーン」と言われた時期もあったが、最近の進展を見るともはやそのような面影はなく、テスコのような素っ気無い店とは違った、活気ある売場作りをして好評である。

 

【モリソンズ店舗】

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