原信ナルスホールディングスと上杉謙信

2011/05/19 05:14
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 21世紀に入ってから、「7・13水害」「中越地震」「中越沖地震」と3つの災害に遭遇した原信ナルスホールディングス(新潟県/原和彦社長)が東日本大震災の被災地支援で異彩を放った。「被災地支援最優先」を方針に掲げ、さまざまな支援を実施。圧巻は被災地の細かな情報を確認する前におにぎりをつくらせ、3月12日の早い段階に届けてしまったことだ。「万が一、受け取り手がなければ捨ててきてもいいと指示しました」と振り返るのは原社長。

 

 『チェーンストアエイジ』誌2011年5月1日号に日本リテイリングセンターの渥美六雄氏が「災害時は、現場に物と人を押し付けるプッシュ型本部になるべき」と寄稿しているが、非常時に即断即決でこれを実践した企業があったことに驚かされる。

 多くの経営者が「状況確認してから、物資を送り込んだので丸1日無駄にしてしまった」と悔いを残す中にあって抜群の動きを見せた。

 

 「慣れているだけです」と原社長は、謙虚な姿勢を崩さないが、速攻で届いた救援物資に助けられたエリアや企業、住民は数知れないはずだ。

 「被災した時の御恩返し」と言う同社を見るにつけ、「義」を重んじた越後国の武将・大名、上杉謙信を想起してしまう。

 

 (『チェーンストアエイジ』誌2011年6月1日号)

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