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第1回

2009年11月24日

価格ではアピールしない。惣菜部門を武器に、
店舗機能の改革で、〝脱価格〟に挑戦

石山 真紀

 売れ筋は“生活防衛”一色。小売業は消耗戦を戦っている。一方で、豊かさを内包した不安の時代に、これからのマーチャンダイジングをどう考えるか。またそれをどう売場で具現化し利益に結びつけるか。マーチャンダイジングの実践を問い続ける金田正裕氏をインタビュアーに、最前線で格闘する専門家にご登場いただいて、小売業マーチャンダイジングの課題と改革について、じっくり語り合った。

 

 

あまり安すぎる商品を売ると、かならずしっぺ返しがくる

 

金田:

 いまチェーンストアでは低価格化が進んでいます。しかし価格だけでなくもっと情報提供やマーチャンダイジング(MD)にしっかり取り組んでいくことが重要なのではないかと感じるのですが、東武ストアではどのような方針を打ち出しておられますか?

 

杉生:

 商品をつくる際にきちんとMDを考えて作られているのかというのは、私も最近とくに疑問に感じています。ただ単に価格を低くしたというものがあふれていますが、誰に向けた商品なのか。商品開発プロセスで、品質(味・機能とか)とコストがリンクする中で、品質と価格のバランスをトレード・オフ手法で積み上げてゆくわけですが、その際、時として「価格ありき」が先行するとチープな商品が生まれることがよくあります。マスコミの風潮に乗せられて、どこもかしこも低価格商品を売るようになっていますが、品質が落ちた商品を安く売る方向には組みしたくない。このように考えたわけです。

 

 そうするとやはり商売の原点を振り返り、売場づくりであるとか、的確な情報の提供とか、できたて・つくり立ての商品とか、値頃づくり、そういった方向に力を入れていこうとする考えを、ブレさせないことが大切だと考えています。

 

 実は数年前から、こういった低価格競争がくるのではという予感はあったのです。ローコストオペレーションなどの仕組みができ上がって店頭での価格を下げるという形をとらないで、ただ単に販売価格の値下げだけでは企業の存続はありえません。

 

土金:

 当社の場合、価格という意味でいうと青果部門に関しては対応をしています。やはり家庭での使用頻度の高いものですからね。また毎日使うものですから価格だけではなく鮮度も力を入れていくという考えでやっています。

 

 ご承知の通り、当社の店舗立地は鉄道系スーパーゆえに駅前出店が多くなっています。競合をみてみると、GMSはもちろんのことコンビニが多い。そういう業態との競争という環境の中で、主軸となる新たな1部門として惣菜を上げています。

 

 当社の場合、24時間営業店舗が多いので、その中でのコアタイムに向け、惣菜を軸に加工食品、日配食品、生鮮3品という売場作りを行っています。

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