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2018年5月1日

『アマゾンのすごいルール』
佐藤将之著(宝島社/1800円〈本体価格〉)

 「アマゾンをアマゾンたらしめている『ルール』は何か」──。ダイヤモンド・チェーンストア2017年12月15日号「アマゾン革命破壊的イノベーターとどう戦うか」では、物流戦略やクラウドサービスなど、アマゾンの戦略をEC事業に限らず、網羅的に紹介した。弊誌とは異なり本書は、アマゾンジャパン立ち上げメンバーの1人である著者が組織論の視点からアマゾンの凄みを読み解く。

 

 まず、アマゾンは「階層の少ない縦割り組織」だという。決裁権はアメリカに集約されており、広報、人事などは上司がアメリカにいる場合も多い。このように階層、決裁者が少ないため、スピーディーに判断を下すことができる。著者がオペレーション部門を担当していた際、10億円規模の投資の決裁が2日間で通ったという事例も紹介されている。

 

 また、アマゾンの文化を語るうえで外せないものとして、「Our Leadership Principles」(リーダーシップ理念:OLP)を取り上げている。「Customer Obsession(顧客へのこだわり)」や「Ownership(オーナーシップ)」など、OLPは14か条ある。これはアマゾンの人事評価や、採用面接の評価の対象にもなるほど重要であると本書は指摘する。

 

 今やジェフ・ベゾスは世界一の富豪となり、アマゾンの時価総額は18年2月に世界3位となった。アマゾンジャパンも00年の立ち上げ準備時には約15人だった社員が、数千人規模となった。アマゾンが快進撃を続ける裏側には、マーケティングや戦略的なビジネスモデルだけでなく、風通しがよく、スピーディーに物事を判断することができ、事業を急拡大しても崩壊しない組織論がある。

 

 

(『ダイヤモンド・チェーンストア』2018年5月1日号掲載)

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