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第170回

2018年4月15日

若い客層を開拓する新フォーマットを開発
「新しいベイシア始まる」 
ベイシア代表取締役社長 橋本 浩英

DIAMOND Chain Store

──店舗デザインや売場の空間演出も従来と異なる印象を受けました。

 

橋本 勝浦店は店舗デザインや売場の空間演出にも力を注ぎました。外観デザインは、これまでは赤色を多く使用していたのですが、勝浦店は地域の景観との相性を意識して、勝浦の青色の空と海に映える白色を基調にしました。

 

 内装デザインは、壁面や什器に原色を使わず商品の色味が目立つようにしました。とくに青果売場は「ファーマーズマーケット」をテーマに、彩り豊かな市場のような空間をめざしました。ビジュアルマーチャンダイジングに取り組み、野菜や果物のそれぞれの色彩に考慮して商品の配置を決めています。

 

EDLP商品の数は1.5倍、地域最安値を追求

──若い世代に訴えかける売場づくり、デザインの一方で、ベイシアの代名詞と言える低価格政策も強めています。店内では「激安」と銘打った商品が多く見られますね。

 

橋本 勝浦店は、EDLP(エブリデー・ロープライス)の価格戦略をさらに推進するための実験に取り組んだ店でもあります。EDLPで販売する商品は従来のSuCの1.5倍に増やしました。価格も、競合店調査により他社の追随を許さない低価格に設定しています。おそらく千葉県の外房エリアにあるどの店舗よりも安いでしょう。今後の売上動向から購買頻度の高い商品を見極めて、EDLPに設定する商品の構成をさらにブラッシュアップしていきます。

 

──大きく圧縮した非食品売場では、カジュアルウエア専門店「everywear(エブリウェア)」を導入し、核売場としています。

 

橋本 エブリウェアは、ベイシアのSPA(製造小売)型の衣料専門店で、17年9月、当社のSMが入る近隣型ショッピングセンターのなかに1号店をオープンしました。とくに、ストレッチ機能とサイズ・色のバリエーションの幅を訴求した、デニムやチノパンツなどのボトムスが支持を得ています。SuCにエブリウェアを導入するのは初の取り組みです。

 

 1号店の売場面積は約1000㎡ですが、勝浦店は靴と服飾雑貨を絞り込んで約800㎡で展開しています。今後、SuCの新規出店や改装の際は、衣料品売場にはエブリウェアを導入する計画です。

 

ブロガーを店舗に招き、若い世代に情報を発信

──勝浦店ではこれまでと異なる販促にも取り組んでいますね。

 

橋本 若い世代に向けた販促を積極的に進めていきます。発信力のあるブロガーさんを店舗に招き、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて当店の魅力を発信してもらう取り組みも行っています。

 

 これまでは店内での写真撮影を禁止していましたが、思い切って撮影していただいてよいことにしました。するとSNSにアップされた勝浦店の写真を見たという若い世代のお客さまが多く来店されました。

 

 勝浦市は、夏場の海水浴などを目的に年間110万人以上の観光客が訪れます。観光で訪れたお客さまにも勝浦店を利用していただき、SNSを通じてベイシアの新しいSuCモデルを全国に発信してもらいたいと考えています。

 

──今後の出店計画を教えてください。

 

橋本 勝浦店では、新しいSuCモデルとして取り組みきれていないことがまだあります。今後、勝浦店での取り組みをさらに発展させて、早期にプロトタイプと言えるような店をつくりたいと考えています。

 

 19年2月期は、SuCの勝浦店のほか4店舗を出店する計画です。この4店舗を含めて、これから新規出店する店舗では勝浦店同様に即食商品を拡充し、花カフェを導入した食品ゾーンを展開する予定です。

 

 同時に既存店のSuCでも売場面積の適正化を進めます。改装により商品回転率の低い非食品の売場は削減し、そのぶんの売場に100円ショップなどの利便性の高いテナントを誘致して集客力アップを図ります。

 

 勝浦店は、ベイシアとして今後の店づくりの方向性をかたちにした店舗と言えます。テレビCMでは「新しいベイシア始まる」というキャッチフレーズを打ち出しました。それを見たお客さまから多くの応援の言葉をいただき、従業員の大きなモチベーションになっています。こうしたお客さまの声を今後も吸収し、常に新たなチャレンジを続けて進化していきたいと考えています。

 

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