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2018年3月1日

『SNS消費時代のモノの売り方
「3つのF」が価値になる!』
藤村正宏 著
(日本経済新聞出版社/1400円〈本体価格〉)


 

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の1つ、インスタグラムが猛威を振るっている。2017年には国内でユーザー数1700万人(対前年比43%増)を突破。「インスタ映え」が「ユーキャン新語・流行語」年間大賞に選ばれた。

 

 SNSを活用した販促に乗り出す小売企業もみられるようになったが、うまくいっている例はまだ少ない。では、どうすればSNSを販促に効果的に利用できるのか。それを解説しているのが本書だ。

 

 「目先の利益を追うことでお客さまとの関係性を悪化させている企業が多い」と本書は指摘する。

 

 たしかに、消費者は売り込みばかりされると企業アカウントをフォローしなくなるだけでなく、その企業が発信する情報そのものも信頼しなくなる。

 

 今、消費者たちが信頼する情報はSNSの「つながり」が中心であるという。とくに、家族(Family)、友達(Friend)、フォロワー(Follower)の「3つのF」が重要であると本書は強調する。「どんなに優れた広告も家族の一言、仲間の勧めにはかなわない」のである。

 

 SNS活用の成功事例として、「2000万円以上する新築の家がインスタグラムのつながりだけで、何棟も売れている工務店」の住まいず(鹿児島県)を取り上げる。住まいずは、木を主役にしたインテリアの写真をインスタグラムに数多く投稿しているだけでなく、ふだんからフォロワーと気軽なやりとりをしている。「売り込みをしなくても、お客さまが勝手にアクセスしてくる」という状況をつくり出しているのだ。

 

 「組織」より「個」。「売る」より「関係性」。「仕事」より「楽しさ」。これがSNS消費時代のキーワードであるという。最近は小売企業でも、物販だけでなく来店客に楽しんでもらえるようなイベントや企画を行っているところもみられる。SNSを活用した販促を軌道に乗せるために、ぜひ読んでおきたい一冊だ。

 

(『ダイヤモンド・チェーンストア』2018年3月1日号掲載)

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