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第123回

2018年3月5日

【DDレポート】
薬業4団体・JACDS 
年頭所感(後編)

『ダイヤモンド・ドラッグストア』 2018年1月15日号掲載

 薬業4団体と日本チェーンドラッグストア協会(神奈川県:以下、JACDS)は、東京都港区の「メルパルク東京」で年頭所感を発表した。各団体代表者の発言を抄録する(JACDSの青木桂生会長の発言は「COVER PERSON」参照)。

 

OTC販売に従事する専門家の地位向上に貢献していく

川島光太郎氏

日本薬業研修センター 理事長
川島光太郎

 

 17年8月の厚生労働省からの通知(「登録販売者に対する外部研修の自主点検について」)には、研修機関としてショックを受けた。

 

 その内容は、一般用医薬品(OTC)販売業者、外部研修実施機関、都道府県等に対して、「研修が確実に実施されたかどうかの確認」を毎年行うことを求めていた。地域包括ケアシステムの中で、OTCの販売を担当する登録販売者が「地域住民の健康を支える役割の一端を担う」ことを強く求められているからだろうが、その一方で、登録販売者の活用に対する理解がなかなか進まない経営者の意識に対するいらだちもあるのではないだろうか。

 

 これからの薬業界においては、薬剤師、登録販売者が地域住民の健康維持に貢献できるだけの資質の向上が強く求められており、そのための研修がますます重要になってきている。

 

 16年からは、薬剤師においても、地域住民の健康維持に貢献する「健康サポート薬局」の薬剤師になることが求められ、健康サポート薬局研修を開始。17年には、3月から認定薬剤師になるための研修、6月からは健全で快適な暮らしに貢献する「コンシェルジュマスター研修」を新たにスタートさせた。

 

 18年も引き続き、さまざまな教育、研修を精力的に実施するとともに、薬業界の発展のための支援とサポート体制の充実を図り、OTC販売に従事する専門家の資質向上とOTC販売業界の地位向上に貢献していきたい。

 

健康寿命の延伸をサポートすることがDgSの役割

松本南海雄氏

日本チェーンドラッグストア協会政治連盟 会長
松本南海雄

 

 団塊の世代の全員が後期高齢者となる2025年には、65歳以上が日本の人口の3分の1を占め、医療費、介護費の高騰は避けられないと言われている。いわゆる2025年問題だ。

 

 医療費や介護費の負担で、国家財政を破綻させないためには、治療から予防へ、セルフメディケーションの推進が必要になってくる。それらをサポートすることこそがDgSにしかできない新しい機能、役割だと思う。

 

 そこでJACDS政治連盟では、次のような活動を強力に推し進めていく。

 

 まず、セルフメディケーション推進の環境づくりだ。セルフメディケーションを考えるには自分の健康状態を知らなければならない。そのために「検体測定室」のガイドラインの見直し、体外検査薬を含むスイッチOTCの拡大、セルフメディケーション税制の活用推進などを行い、環境整備を進めていく。

 

 次はDgS機能の向上と活用環境の支援だ。超高齢社会における地域生活者のニーズに応えるため、在宅介護事業の研究支援、365日24時間営業の研究支援・代替調剤、テクニシャン制度、リフィル処方などの研究支援などを通じて、DgSの機能向上と活用環境の整備を進める。そして「街の健康ハブステーション構想」の実現に向けた支援活動も行う。18年は「健康サポートドラッグ」認定支援、「コンシェルジュ機能」の充実支援、サポートパートナーの連携支援事業の整備支援などを本格的に行う。

 

 最後は「DgS10兆円産業」化に向けた支援活動だ。DgS業界は、25年に3万店舗、売上高10兆円の目標を掲げている。その実現のために、機能性食品、スマイルケア食品、プロテイン食品等の拡大支援、DgSにおける調剤の拡大、薬剤師の確保支援、電子タグ(RFID)の実証実験支援などを行っていく。

 

消費税増税後の総額表示義務はデフレ圧力になる

森信氏

日本チェーンドラッグストア協会 九州ブロック長兼政策推進委員長
森信

 

 われわれが近々直面する課題に、消費税増税と総額表示の問題がある。

 

 19年10月、あと2年足らずで消費税率が8%から10%に引き上げられる。その価格の表示方式について、21年3月31日までは消費税転嫁対策特別措置法が適用され、消費税を含まない価格(税抜価格)とわかれば、総額表示(税込価格)でなくてもよいことになっている。しかし、21年4月1日からは総額表示が義務付けられる。

 

 19年10月の税率引き上げでは、医薬品・医薬部外品や酒類は10%になるが、軽減税率が適用される食品は8%のままだ。DgSの店内には消費税8%と同10%の商品が混在することになる。その意味で、総額表示はいくら支払えばよいか一目でわかるので消費者にとっては便利だ。

 

 しかし、前回総額表示義務が導入された04年には、ディスカウントストアを筆頭に「消費税還元セール」と称して、従来の価格のままで総額表示とした店舗が多く、その際に消費税を転嫁したDgSは業績を悪化させた。この経験から、今回も消費税分の値下げ圧力がかかり、税抜表示をそのまま総額表示、つまり消費税額分値下げする店舗が多くなるのではないか。

 

 これでは国が掲げるインフレ目標の達成に逆行するばかりか、従業員の給与の引き上げも厳しくなる。JACDSは、DgS、メーカー、ベンダー、消費者など、すべてにメリットが生まれるよう、自由裁量表示の恒久化を求めて、各方面に働きかけていく。

 

 

(前編はこちら)

 

 

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