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第158回

2017年11月1日

統合シナジーを最大限に発揮し岩手県内でのドミナントを深耕する 
ベルジョイス 代表取締役社長 澤田 司

DIAMOND Chain Store

「トヨタ生産方式」で店舗運営を効率化

──業績面についてはいかがでしょうか。SM業界では、上半期は苦戦している企業も目立ちます。

ローコストオペレーションを追求した価格訴求型SMの「ビッグハウス」。1品単価を下げ続けたことで買い上げ点数が増え、客単価が上昇し、好業績に寄与している 「トヨタ生産方式」で在庫の削減に努めた結果、在庫高や商品回転日数は飛躍的に改善している ビッグハウスでは「一物3価」を掲げ、1つの商品について1点より2点、2点より3点購入したほうが単価が安くなるように価格設定がされている。これも買い上げ点数が増えている要因だ

 

澤田 上半期は売上、利益ともに予算と前年実績をクリアしており、好調に推移しています。その大きな要因となっているのは客単価の上昇です。

 

 とくに、価格訴求型のSM「ビッグハウス」でその傾向が顕著です。同業態はアイテム数を絞ることでローコストオペレーションを追求するというのが基本的な方針です。ローコストオペレーションの進展に合わせて1点単価を下げ続けたことで、それに比例するように買い上げ点数が増え、客単価が上がり続けています。

 

──効率的な店舗運営のもとに業績を伸ばしているわけですね。それを実現できているのはなぜですか。

 

澤田 ビッグハウスを展開してきたベルプラスでは14年ほど前から、トヨタ自動車の生産システムを取り入れた「トヨタ生産方式」を採用し、店舗の在庫削減を進めてきました。試行錯誤の連続ではありましたが、長年継続して取り組んだことで、とくに在庫高や商品回転日数は飛躍的に改善されました。

 

 店舗の抱える在庫が減ったことで、加工や陳列に要する時間も少なくなるのはもちろんですが、回転率がよくなったことで商品の鮮度が向上し、売上にも大きく寄与しています。

 

──小売業界では人手不足の問題も深刻化しています。在庫削減のほかにはどのような対策を打っていますか。

 

澤田 各社で導入が進んでいますが、セミセルフレジを順次設置しています。また、鮮魚、精肉、総菜についてはプロセスセンター(PC)の活用も進めています。現在、午前11時までに売場に並ぶ商品については原則PCから供給し、それ以降の時間帯については店内加工、店内調理の商品を並べるというシステムにしています。

 

MDの再構築にアークスの情報力を活用

──商品政策(MD)についてはどういった方針を掲げていますか。

 

澤田 ビッグハウスについてはMDの方針を大きく変えています。前述のとおり、品揃えを絞り込むことでローコストオペレーションを追求するのが基本的な考え方ですが、アイテム数は以前よりも徐々に増やしています。

 

 実はある時期、それまで伸び続けていたビッグハウスの既存店売上高が前年を下回ったことがありました。よく調べてみると、競合店に比べてアイテム数が不足していることがわかったのです。昨今、われわれの商勢圏においてもオーバーストア化が加速しています。お客さまに常に選んでいただける店をつくるうえで、品揃えについては常に見直していかなければなりません。

 

 ただし、アイテム数を増やすと言っても、ローコストオペレーションを崩さないことが大前提です。商品を安く提供できなくなった時点で、われわれの存在価値はなくなると考えています。

 

──MDを構築するにあたって、アークスグループのスケールメリットも生かしているのでしょうか。

 

澤田 品揃えを見直すうえで、アークスグループが持つ情報を大いに活用しています。どこの店で何がどれだけ売れているかがグループ内で共有されているため、そうした情報とベルジョイスの販売データを突き合わせて、われわれの店舗に欠けているのはどういった商品なのかがはっきりわかるようになりました。また、現場で働いている担当バイヤーや店舗運営部の社員も、グループ各社の店舗に繰り返し視察に行って情報を収集しています。

 

 一例を挙げると、ベルジョイスのある店舗では加工肉を85SKUしか販売していなかったのですが、ほかのグループ会社の店舗では219SKUも取り扱っていることがわかりました。簡便商品の需要が高まるなか、精肉部門において加工肉の品揃えを拡充することはよく考えれば当然なのですが、そこを見落としていたのです。このように、われわれだけでは把握しきれなかった課題が可視化できるようになったことは、大きな武器になっています。

 

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