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2017年11月1日

[Pパレット]
進化するPパレット最前線
一般社団法人Pパレ共同使用会

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● 流通業や農業関係者に向け業界紙に啓発広告を掲載

 

 一方で問題となっているのがPパレの未回収や流出だ。【図表2】のPパレの未回収数の推移を見ると14年は28万枚、15年は24万枚、16年は23.5万枚と3年連続で枚数は減っているものの、依然として20万枚以上が未回収となっている。【図表1】のようにPパレの回収率は9年連続で99%を超えているが、枚数の分母が大きいためPパレ1枚を5000円で換算しても11億円以上の損失にとなっている。

【図表2】Pパレの未回収数

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 流出の原因はさまざまだがその多くはPパレの不正使用によるものだ。ホームセンター(HC)業態の場合、返却せずにバックヤードや店舗外に山積みし放置することもあるが、ガーデニング用品や植木鉢、ペーパー類などのかさばる商材を並べる陳列台や在庫整理に使用されるケース、ひどいものではPパレをカットして使用するというケースも見られたという。

 

 また小売業以外で問題となっているのが市場関連での未回収だ。Pパレ共同使用会では加盟企業の流通ルート以外の回収について日本パレットレンタル(JPR社)に委託しているが、未回収の大部分が市場関連となっている。とくに野菜や果物などの青果市場でPパレの不正使用や未返却が多く見つかっているが、本来使用される場所ではないため、流入先がどこかを特定することは難しい。

 

 物流、流通、卸、そして市場の現場では、さまざまなパレットが混在している。パレットは木製のものも多く、とくに海外の木製パレットは廃棄前提でつくられているため、現場によってはパレットを返却するといった意識がない。滝本代表理事は「Pパレの不正使用や未返却をなくすためには、Pパレ共同使用会のPパレと、他のパレットとの違いについて広く知ってもらう必要がある」と話す。

 

 そこでPパレ共同使用会ではPパレの不正利用の課題解決に向け、Pパレの不正使用や未返却に対し気づきを与える啓発活動を推進。弊誌をはじめとした流通関係者向けの専門媒体に加えて、日本農業新聞や農経新聞など、市場関係者が目を通す新聞に啓発広告や記事を出稿している。

 

「日本農業新聞広告賞・審査委員長特別賞」の盾
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 また、内容についてもイラストによる具体例を出すことで「こんな使い方は不正使用になる」と気づきを与える内容に刷新。Pパレは加盟社の所有物であり、加盟社以外の商品の輸送や保管以外の目的で使用することは違法であるという点をわかりやすく伝えている。

 

 この取り組みが奏功し日本農業新聞広告賞では審査委員長特別賞を受賞。HCを含む小売業態でもPパレの不正使用を改め、改善に動く企業が増えてきているという。

 

● 積載効率を上げるためにもPパレは必要不可欠な存在

 

 Pパレの未回収・流出の課題を改善するため、同会では14年6月より、「Pパレ共同使用会共通受払いシステム」および「Pパレ共同使用会指定伝票」を導入している。これは加盟店と卸業者・物流事業者がパレットの出荷・回収データを共通のシステムを活用して受け払いするというもの。物流のそれぞれの過程でPパレの情報をインプットすることで、加盟企業から出荷した枚数、回収できた枚数を明確に把握することができる。

 

 以前はパレットの現在地の把握が難しかったが、同システムの導入によりパレットの出荷・回収状況を可視化。どの位置でPパレが止まっているのかがタイムリーにわかるようになり、滞留している得意先に対してどのように改善を促し、回収率を上げていけばよいのか、ターゲッティングがより容易になった。ただ、物流会社や共配センターでは伝票の入力が煩雑であるといった課題もある。

 

 Pパレ共同使用会ではPパレが当初の目的外で使用されている場合、その企業にPパレの返却を求め、返還交渉を行ったにもかかわらず引き続きPパレを不正に保有、使用する事業者に対して、法的措置を行っている。16年の法的措置は2件あったがどちらも訴訟というかたちにはならず、和解というかたちで決着がつき1万枚強のPパレが回収された。17年度では9月現在で、1件の法的措置を行っている。また近年の啓発活動が奏功し、Pパレ共同使用会のウェブサイトに不正使用に関する情報を寄せてくれる企業も出てきている。

 

 昨今、Eコマース(通販)の利用者増加による宅配の問題など、物流関連の課題が社会問題化してきている。積載の効率化を考える上でもPパレは物流、流通、卸とどの業態にとってもなくてはならない存在だ。Pパレ共同使用会では、Pパレによる物流の効率化と環境負荷の軽減のメリットを伝えるとともに、パレットの不正使用に対しては啓発活動を推進することで回収率の向上につなげていきたいと話している。

 

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