ホーム   特集&連載    DRMオンライン・ピックアップ    ダイヤモンド・チェーンストアThe Interview 
記事タイトルバナー

第157回

2017年10月15日

有機農産物を1兆円市場へ最大手として成長を牽引する! 
オイシックスドット大地 代表取締役会長 藤田 和芳

DIAMOND Chain Store

「プレミアム時短」で販売好調のキット商品

──計画している共同開発の商品はありますか。

 

藤田 ようやく検討を始めた段階です。商品開発の取り組みではありませんが、今年7月にオイシックスのサイト内で大地を守る会の商品を購入できる特設サイトをオープンしました。4月のプレオープンから3カ月で売上目標の160%を達成するなどお客さまから好評をいただいています。取扱商品数も現在、当初の3倍の100品目となっています。

 

──オイシックスではキット商品の販売が好調です。

 

藤田 オイシックスのコアの利用者層である小さい子供を持つ30~40代の共働きの夫婦は、人生で最も忙しい世代だと言えるでしょう。

 

 オイシックスは、そうした忙しい生活の中でも「子供にちゃんとしたものを食べさせたい」というニーズに応えられる商品を提供してきました。その一つが、5種以上の野菜がとれる主菜と副菜の2品が短時間でつくれる下ごしらえ済みの料理キット「Kit Oisix(きっとおいしっくす)」です。

 

 たとえば、夕食にカレーをつくるとしましょう。タマネギを切ったり、ジャガイモの皮をむいたりしていると、1時間くらいかかってしまいます。仕事から帰宅して、その時間を確保することは非常に難しい。そんななかで、「きっとおいしっくす」のような下ごしらえ済みの商品を使えば、帰宅後15~20分程度で、少なくとも一品は食卓に出すことができます。しかもこの商品は、安心できる産地から取り寄せた原材料を使っています。

 

 オイシックスでは、こうしたキット商品を単なる「時短」商品ではなく、お客さまの意識を踏まえて「プレミアム時短」「後ろめたくない時短」の商品と呼んでいます。累積で600万個以上の出荷数、5万人以上の定期利用という実績で、オイシックス事業の売上を牽引するほど成長してきています。オイシックス全体の会員数が14万人程度ですから、若い世代でも「時短と食の安全」への関心が高まってきていることの表れでしょう。

 

──大地を守る会でオイシックスの商品を販売する考えはありますか。

 

販売好調の大地を守る会の「おやさいdeli kit」。メーンに使用する野菜の契約生産者の顔が見えるのが特徴だ

藤田 今はありません。ただ、大地を守る会でも「おやさいdeli kit」というキット商品を販売しており、好調な売上を続けています。この商品は契約生産者の顔が見えることを重視しており、大地を守る会の基準で食材を調達しています。大地を守る会は40代、50代という年齢が高めのお客さまが多いため、家族の食事をきちんと料理したいという専業主婦が多い傾向があります。

 

 たとえば、大地を守る会には、自分で味噌をつくっているお客さまが6000人以上もいます。自分で味噌をつくっている人が6000人もいる会員組織というのは、日本でほとんどないのではないでしょうか。ちなみに、味噌づくりセット販売商品・単品商品合わせて今年だけで約1万2000点を販売しています。そういう意味で、オイシックスとお客さまが重なるということはあまりないと思っています。

 

──物流面ではどのようなシナジーが考えられますか。

 

大地を守る会の「習志野物流センター」。オイシックスと物流面でシナジー創出をねらう

藤田 物流面でのシナジーは大きいと考えています。オイシックスと大地を守る会はそれぞれ異なる産地から仕入れてきましたが、産地が近隣にある場合は互いに協力することが可能になります。また、両社の物流ネットワークを重ねることでコストダウンが期待できます。たとえば、大地を守る会は関東圏では自社便で配送しており、オイシックスの商品の配送にこの物流網を活用できないかと検討しています。これを実現するには、配送ケースやロットの統一、物流センターの最適化といったことも必要になってきますから、今後、実験を重ねていく必要があると考えています。

 

Special topics