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2017年7月19日

第3回 「モノガタリ」よりも「コトガタリ」

 前回少しだけ触れましたが、セルフPOPのメッセージを考える際に押さえる必要があるのが「モノよりコト」という考え方です。「モノ消費からコト消費へ」などというフレーズを最近よく見かけますが、それと同じです。「どんなモノなのか」という商品そのものの性能を語るよりも、「どんなコトが起こるのか」という「デキゴト」を具体的にイメージできるようなメッセージが重要となります。「モノ」の説明だけで商品を買ってくれるのは、もともとその商品もしくはカテゴリを買いに訪れた人です。セルフPOPでより多くのお客さまに商品の良さを伝えるためには、「モノ」のアピールよりも「コト」に重点を置いたメッセージで想像を膨らませてもらうことがポイントとなります。これを、「コトガタリ」と呼びます。

 

 ではさっそく、コトガタリを使って飲み会に欠かせないウコンサプリのキャッチコピーを考えてみましょう。

 

例)ウコンサプリ

コトガタリ:ひと粒でOKなのでみんなに配れる!宴会のヒーローはアナタ!!

モノガタリ:ひと粒で、ウコン濃縮100倍配合!

 

 いかがでしょうか?どちらも商品の魅力について語っているのですが、「コトガタリ」の方が「飲み会のヒーローになれる」という「使うと起こるイイコト」がより具体的にイメージできるので「どうせ自分でも使うし、だったら買っておこうかな」と潜在的な「買いたい理由」にアプローチすることができるのです。このように、「ポジティブなコト」をイメージさせる手法を「ポジコト」と呼びます。逆に、ネガティブなイメージを想起させる場合は「ネガコト」を用います。セルフPOPのメッセージ開発にあたってはこの2つをうまく使い分けることがポイントとなります。

 

【ポジコト】その商品を買うとどんな「イイコト」があるのか。潜在ニーズが比較的高い人に有効

【ネガコト】その商品を持ってない今、どんな「ヨクナイコト」が起きているのか。潜在ニーズが低い人に有効

 

 例えば、「男性向け白髪染め」に関する「コトガタリ」を考える場合、「ポジコト」と「ネガコト」は下記のようになります。

 

例)男性向け白髪染め

ポジコト:ブラシ一体型で、素手でも汚れない白髪染め!!

ネガコト:あれ?お前なんか老けたな…あ、白髪か。

 

 まずポジコトでは、白髪染めのターゲットに対して「素手でも手が汚れない」という具体的な「イイコト」をアピールすることで魅力を伝えられます。ただし、それはあくまで白髪染めの既存ユーザーで比較的潜在ニーズが高い人向けのメッセージです。白髪があるにも関わらず、白髪染めを必要だと自覚していない潜在ターゲットに対してはこのポジコトだとメッセージが弱く、素通りされてしまいます。こうした潜在ニーズが低い人に対しては、ある程度強力なネガティブワードをぶつける必要があります。例えば上記のように「老けた」という誰しも言われたくないネガティブワードを用いることでインパクトを強めることで、自覚の少ない人にも気づきを与えることができます。ただし、「ネガコト」はインパクトが強い分「言われなくてもわかってるよ。なんか気分悪いな」というマイナスの印象を与えてしまう可能性もあるため、POPに使用する際には十分な注意が必要です。

 

 「モノよりもコト」、「ポジコトとネガコト」。セルフPOPのメッセージ開発にはこの手法が大いに有効となります。ぜひ活用してみてください。

 

 

■著者プロフィール■

株式会社ティラノhttp://www.tyranno.co.jp/
プロデューサー 上島 大輔

 2002年に株式会社ティラノ入社。以来15年、「リアルな購買地点」のクリエイティブである店頭販促プロデューサーとして従事。
 ドラッグストア向けの店頭販促を専門とし、H&BCメーカーを中心に、医薬品、日用品、食品など幅広い分野を手がけ、薬事法・景表法の広告表現にも明るい。ダイヤモンド・ドラッグストアにて「POPコンテスト」審査員、「POP虎の巻」などの執筆も務める。

 

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