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2017年7月1日

オーガニック食品の市場規模約1000億円
「主体消費者」はリアル店舗で動く!

ダイヤモンド・チェーンストア

文=山口 タカ

一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン 事務局長/『ORGANIC VISION』編集長

 

 オーガニックヴィレッジジャパン(以下、OVJ)は16年10月、消費者1万人を対象としたオーガニック市場に関する調査を実施した。同様の調査はかつても実施されているが、1万人規模は史上初となる。

 

 私見だが、オーガニック市場は成長を続けていくと確信している。市場の成長性が高い一方で、東日本大震災以後、国内には基準となる統計資料が存在しなかった。オーガニック市場の「シンク&ドゥタンク」を担う組織として設立したOVJとしては、需要が高まりつつある今こそ市場規模を把握しておかなければならないという使命感から、急遽調査を実施するに至った。

 

 調査結果を冊子化した『オーガニック白書2016速報版』のなかで、「オーガニック食品」(無農薬・無化学肥料・無添加食品)を購入する消費者の規模は約1000億円と推定している。減農薬等環境・安全に配慮した食品を購入している消費者を合わせると、市場規模は約5400億円に上る。詳しい算出方は、ぜひ同誌を参照されたい。また、17年度中に、生産・流通の数値をあわせた『オーガニック白書2016-17』を発表する予定なので、そちらもあわせて結果をお待ちいただきたい。

 

図表(1)「オーガニック食品」の購入金額の購入チャネル別比率図表(2)とも『オーガニック白書2016速報版』(2016年10月刊)より。調査対象は全国47都道府県の20~69歳の男女。そのうち「オーガニック食品」を「週1回以上利用する」と回答したなかから500人を抽出し、アンケートを実施
*マルシェ、道の駅、ファーマーズマーケットなど
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 さて、前置きが長くなったが、現在のオーガニック市場の拡大を牽引すると推測されるのは、「オーガニック食品」を週1回以上購入する「主体消費者」である。OVJは、この主体消費者500人を対象に、詳細なアンケート調査を実施した。

 

 図(1)では、「オーガニック食品」をどこで消費しているかを金額の割合で示した。各項目を見ると、「大手スーパー」「地元スーパー」「自然食品店」「百貨店」と、リアル店舗で半数以上を占めているのがわかる。オーガニック食品が宅配(提携)事業によって成長を遂げてきた歴史的背景や、近年のネット通販(EC)の台頭などは、最近の主体消費者にはあまり影響がないようだ。

 

 図(2)は、オーガニック食品に関する情報の入手方法についてのデータである。「店頭での表示・説明」が5割を超え、「友人や知人からの口コミ」も3割を超えている。「テレビ、ラジオのニュースや番組」「新聞の記事・広告」といったマスメディアは3割ほどにとどまっている(一般的な商材は5割程度)。

 

図表(2)「オーガニック食品」に関する情報の入手先
単位:% ※複数回答
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 意外だったのは、インターネット上の情報サービスがさほど注目されていない点だ。Webサイトを活用しているのは全体の16.2%で、ECサイトに関しては1%を切る結果となった。主体消費者にとって、情報ツールは依然としてアナログが主流であると言えそうだ。

 

 これらの結果の根拠は今後の調査で探っていく方針だが、少なくとも短期的に「オーガニック食品」の安定的な売上を確保していくためには、旧来の売場や新規に取り扱いを開始した店舗での販促活動や、提供する情報の正確性向上に注力することが重要であるとデータは示している。オーガニック食品に着目している事業者の方々は参考にしていただきたい。

 

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