高島屋、H2Oリテイリングとの経営統合を断念

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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 高島屋とエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは3月25日、経営統合を中止すると発表した。阪急阪神百貨店を傘下に持つH2Oと高島屋は2008年10月に、3年以内の経営統合を目指すことで合意、相互に株式の10%を取得し、業務提携の取り組みを進めてきた。

 しかし、08年秋以降、世界的な金融危機の影響などから百貨店業界全体が極端な販売不振に陥るなど経営環境が大きく変化。統合しても販売力向上の効果を期待するのは難しく、「それぞれで新しい事業モデルの再構築を通して経営の質的向上を図っていくことを最優先すべきと考え」、経営統合を断念したという。

 百貨店業界ではそごうと西武、大丸と松坂屋、伊勢丹と三越など大型合併が続いたが、いずれもリストラ優先で営業力強化に目立った効果は上がっておらず、その点も両社の統合中止に影響を与えたものと見られる。

 高島屋の連結売上高は9761億円(09年2月期)、H2Oは5095億円(同3月期)で、仮に統合が実現していれば三越伊勢丹ホールディングスを抜いて業界トップになるはずだった。

 両社は株式の持ち合いと業務提携関係については今後も維持する。共同商品開発の販売と備品・資材の共同購入は09年秋からすでに始まっており、10年夏から中元歳暮ビジネスの共通化、11年春からは売場の共同開発にも取り組むという。

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