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2017年6月21日

第1回 POPの目的とは

 突然ですが、POPの役割は何だと思いますか?「売場を目立たせる」「詳細情報を伝える」「商品をアピールする」…どれも正解です。このように、POPには様々な役割があるのですが、根本的な目的は「接客の代替」である、ということはあまり知られていません。POPといえば売場装飾と思っている方もいると思いますが、それはあくまで接客の一部である「お声がけ」の代替に過ぎません。売場を通りがかったお客さまにお声がけを行い、商品に興味を持ってもらい、比較検討してもらった上で、納得して買っていただく。この一連の接客の流れを、セルフで実現するのがPOPを設置する本来の目的なのです。

 

 ですので、売場に常に接客販売員が待機し、何か迷ってるお客さまに対して即座にお声がけすることができればPOPは必要ありません。しかし、多忙な小売店において、常に売場で接客を行うことは不可能に近く、スペース的にもかえって邪魔になってしまって、お客さまを敬遠させてしまうことにもつながります。そこでPOPを上手く活用することで、接客の手間を削減しつつ、お客さまにも快適な買物環境を提供でき、なおかつ買い上げ点数も上がるという良いこと尽くめの状況を生み出すことができるのです。

 

 POPづくりのコツは、セルフ売場なのに、あたかも接客してもらってるかのようなメッセージを発信することです。接客を意識したメッセージをPOPに落としこむことで、付けるだけで勝手に売れていく「セルフPOP」を作ることができるのです。今までなんとなく「POPをつくらなきゃ」という義務感でPOPづくりを行っていた人は、「自分が接客して売るとしたら、なんて言うだろうか」という視点に立ってPOPを考えることで、よりお客さまの心に響くメッセージが書けるようになると思います。

 

 では次に、「POP=接客の代替」という本質を抑えたところで、POPに変換できる接客とは何かについて考えていきます。次のように、接客を4つのステップに分けます。

 

 

【1.接触】発見・声がけ

 まずはお声がけです。よほど必要なものでない限りは「なにかお探しですか?」と呼びかけないと、意識外に置かれて目に入らず、売場を素通りされてしまいます。気づいてもらえないことには何を語っても始まりません。実際に声をかけるつもりで、そのまま言葉を文字にしてみましょう。ポイントは、「~ではありませんか?」「~はご存知ですか?」と質問を投げかけること。つい立ち止まってしまいます。

 

【2.導入】ヒアリング

 次にはヒアリングです。接客であれば、いきなり商品をすすめずに、お客様の状態や悩みなどを聞き出すことが重要となりますが、あらかじめ内容を決め打ちする必要があるPOPにおいては、お客さまのリアクションを見ながらメッセージを変えることはできません。そこで、お客さまが商品を選ぶときに悩むであろうポイントを先回りして想定し、それぞれの商品にメッセージを付けることが重要です。

 

【3.セールス】商品提案・機能説明

 ここで、はじめてようやく具体的に商品をすすめます。注意が必要なのは「Aも良い!Bもいい!Cもオススメ!」と隣り合う商品をすべてオススメしないこと。それぞれの商品を知れば知るほど、ついつい「全部オススメ!」と言いたくなるのですが、それではただ単にお客さまを困らせてしまうだけです。ポイントは、比較可能な軸に照らし合わせて、各商品の特徴を端的に言葉にすることです。

 

【4.クロージング】買う理由付け・後押し

 最後にもっとも重要なのがクロージング。しかし残念ながら売場を見ると、情報を与えるだけ与えておいてお客さまを放置し、クロージングを行っていないPOPを多く見かけます。導入とセールスでだいたいの目星を付けたとしても、似たような商品がたくさん並んでいる売場が多く、せっかく興味を持ってもらっても一気に購買意欲が失せ、お客さまが売場から立ち去ってしまうことになります。セルフPOPにおいてクロージングとは、「無理やり売りつける」ことではなく、「似たような商品の違いを教えてあげる」ことでもあります。同じように見える商品でも、何が違うのかをわかりやすくPOPにすることで、「それぞれの商品を選ぶべき理由」がわかりやすくなり、買いやすい売場となります。セルフ売場において結局、最後に決めるのはお客さまなのです。

 

 「接客をイメージしてPOPをつくる」なんとなくイメージできたでしょうか?次回以降は、さらに具体的なPOPテクニックに迫っていきます。

 

■著者プロフィール■

株式会社ティラノhttp://www.tyranno.co.jp/
プロデューサー 上島 大輔

 2002年に株式会社ティラノ入社。以来15年、「リアルな購買地点」のクリエイティブである店頭販促プロデューサーとして従事。
 ドラッグストア向けの店頭販促を専門とし、H&BCメーカーを中心に、医薬品、日用品、食品など幅広い分野を手がけ、薬事法・景表法の広告表現にも明るい。ダイヤモンド・ドラッグストアにて「POPコンテスト」審査員、「POP虎の巻」などの執筆も務める。

 

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