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2017年5月29日

最終回
まぐろサクのF(頻度)から見たマーチャンダイジング戦略!

 F(頻度)にフォーカスしたこの連載は、今回が最終回となります。

 

 最終回は、水産部門です。ここでは、その代表的な商品、まぐろサクについて、F(頻度)の視点からID-POS分析によるマーチャンダイジング戦略を解説します。まぐろサクは水産部門の中でも年間最重点商品であり、来店動機と関係の深い商品です。

 

 図表はそのまぐろサクの最重点商品の単品(SKU)の年間購入顧客13,028人、一人一人の年間F(頻度)を分析し、SAB-Z顧客に分解したものです。この対象顧客は約10万人ですので、購入率は約13%と、極めて高い支持率です。まずは、右側の図表ですが、Z顧客(年間1.0回)が、7,502人、57.6%であり、畜産の合いびき、惣菜のおはぎ、そして、グロサリーに近い比率です。日配のとうふの約40%とは違い、畜産同様、意外に生鮮食品のZ比率は高いのが特徴といえます。結果、リピート顧客は約40%となります。その内訳ですが、最も多いランクがAランクの2,632人、20.2%、ついで、Bランク17.5%、Sランク4.7%となります。したがって、まぐろサクのID-POS分析によるマーチャンダイジング戦略はZ顧客とA顧客が鍵を握っているといえます。

 

 

 まずは、Z顧客ですが、そのカギを握るのが左の図の下図、Z顧客と店舗との関係を示したものです。この図はまぐろサクの7,502人のZ顧客が店舗に年間何回来店したかを表しています。図を見ると、最多、年間800回を超え、すなわち、1日2回以上来店している顧客から、1回しか来店しない顧客までまちまちであり、平均は150回を超える来店頻度の高い顧客であることがわかります。したがってまぐろサクのID-POS分析によるマーチャンダイジング戦略はまずこのZ顧客を来年1年かけて、B顧客にどうもってゆくかにあるといえます。そして、まだまぐろサクを1度も購入していない、顧客、今回の場合は対象顧客が約10万人ですので、未購入顧客約8万7千人にいかに働きかけるかにあるといえます。

 

 そして、もう一方のA顧客はZ顧客と比べ来店頻度の高い顧客のみで構成されていますので、まぐろサク以外にも様々な商品を年間購入しており、まぐろサクでの還元はもちろん、さらに、個々人の来店動機となりうる商品を見つけ、その商品に関しても還元政策を検討し、2重、3重のまぐろサクでの購入顧客への還元政策を検討することが課題といえます。

 

 このように、まぐろサクのID-POS分析によるマーチャンダイジング戦略は、約60%のZ顧客と約20%のA顧客重視の政策であり、特にA顧客への還元政策を厚くすることがポイントといえます。

 

 以上で、生鮮3品、惣菜、そして、グロサリーの代表的な商品のF(頻度)の事例の解説が終了しました。いづれの部門もF(頻度)の構造が良く似ているとことがわかります。すなわち、商品と顧客の関係はすべて、ロングテールでフラクタルな関係にあるといえます。ID-POS分析によるマーチャンダイジング戦略をすすめてゆくには、この厳然たる事実をもとに取り組むことがポイントです。

 

 本講座はこれで一旦終了しますが、ID-POS分析はまだまだ奥が深い分析ですので、いずれ稿を改めて、この続きを解説してゆく予定です。乞う、ご期待!!

 

【著者プロフィール】
株式会社IDプラスアイ
鈴木 聖一


1988年(株)船井総合研究所入社。
食品スーパーの活性化に携わり、PI値によるマーチャンダイジング手法を確立。1998年(有)PI研究所を設立。POS分析から見えてくるメーカーや小売業の効果的な売場づくり提案を主な活動とする。近年はPOSからID付POSへの発展とともに、2013年(株)IDプラスアイを設立。顧客IDに基づくマーケティング戦略、Z理論を提唱している。

ブログ:http://www.pipi.cocolog-nifty.com/

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