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2017年3月1日

〈プロユース〉
作業用品市場は成長トレンドを持続
カジュアル志向はますます強まる

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注目企業

アトム


手の甲の安全性を確保、ロールボックスパレット作業用手袋「拳護(けんご)」&「ニトリル 拳護」

 

● 「人間工学グッドプラクティス賞」最優秀賞を受賞

 一般社団法人日本人間工学会が主催する「人間工学グッドプラクティス賞」平成27年度の最優秀賞に、作業手袋・長靴を製造販売するアトムが、ロールボックスパレット(かご台車)の作業時に起きる労働災害を防止する手袋として開発した「拳護」が受賞した。

 

 同賞は、人間工学の研究成果を応用したものづくりや研究成果を踏まえた社会活動に対して表彰されるもの。これまでの授賞履歴には、「鉄道車両用円弧状手すり」や「マンモグラフィ乳房X線撮影装置」などがある。

 

 アトムの「拳護」が同賞を受賞した理由には、商品の開発背景と設計思想があった。

 

 トラックの荷台や倉庫、小売店舗内で使用されるロールボックスパレットを取り扱う際に、手を挟んで怪我をする事故が多発するなか、作業を行う上での安全性が問題になっていた。

 労働者の安全と健康確保に関する研究を行う、独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所によると、ロールボックスパレットによる労働災害のトップには「下敷き・転倒・転落」(41.4%)が挙がり、「指、手、腕の激突・挟まれ」も16.2%あった(グラフ参照)。

 

 海外製品で手の甲に衝撃を吸収するクッション材やパッドを設けた手袋はあったが、作業性が非常に悪く、たとえば物流作業で手袋を着用したまま筆記用具を持ち伝票記入を行うことには向いていないものがほとんどであった。そのため、作業現場における日本での市場性はなかなか広がらなかった。

 

● 手の甲の安全性確保と作業性も確保

 こうしたロールボックスパレットに起因する事故多発を背景に、労働安全衛生総合研究所とアトムが共同で開発し、2014年に発売されたのが「拳護」である。「拳護」の開発に当たり特に重視したのが、手の甲の安全性とともに、作業性も確保することだった。

 

 まず、安全性確保のため、手の甲に発泡ゴムからなる衝撃吸収用パッドを設けた。凹凸形状のパッドを手の握り方向に直交する形で配置し、手の握りがスムーズに動くことができるようにした。

 

 そのため握りだけでなく指先の細かな動作も可能になり、手袋を着用したままでの伝票記入も容易になり作業性が向上した。

 

 また手袋本来の機能であるグリップ性確保のため、手の平に薄いゴム加工がされており、抜群な滑り止め効果を発揮させている。原手はフィット感と強度のある高品質なナイロン糸を採用、手袋全体を発砲ゴムとゴムシートで覆っているにも関わらずより一層の柔らかさに寄与している。

 

 翌15年には、手の平を油に強く滑りにくいニトリルゴムでコーティングした「ニトリル拳護」もラインアップされている。発売後は製品の認知度が進むなか、作業現場で使用したユーザーから指名買いも多くなっている。

 

 今後アトムは、手の甲に衝撃吸収機能を付加した「拳護」をシリーズ化していくため、マーケティングと製品開発に注力し、確実にファンを増やしていく計画である。

 

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