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第1685回

2017年1月19日

アイリスオーヤマ大山健太郎社長 賀詞交歓会挨拶抄録(2)

千田 直哉

(昨日の続きです)

 

 次に流通の話に触れておきたい。

 今、流通はリアル店舗からネットショッピングに大きくシフトしている。

 

 グループ企業であるアイリスプラザ(宮城県/大山健太郎社長)は、2001年に細々とネット通販に参入した。

 今、アイリスプラザは先進企業になっている。毎年3割から4割の成長が図られている。

 また、楽天やヤフー、アマゾンのサイト内でも、アイリスプラザの売上構成比は大きなものになっている。

 ネット通販には数十万社の企業が参入し、熾烈な価格競争を繰り広げている。その中でアイリスプラザは大きく伸び、利益もしっかりと確保している。

 

 なぜ、各社が苦戦をする中でアイリスプラザが好調なのかといえば、3つの強みがあるからだ。

 ひとつは、当社にしかないオンリーワン商品をたくさん持っていること。2つめは1万6000アイテムを超える商品を取り揃えていることだ。ネット通販の世界はロングテールであり、ひとつの商品で多くの売上を計上するのではなく、たくさんの商品が集まって大きな売上をつくるもの。ネット通販でもっとも大きな問題になるのは物流だ。ネット企業は巨フルフィルメントセンターを各地に設置している。しかし当社の場合は、北海道から九州まで工場兼物流センターを全国に8拠点展開している。

 これら3つの強みが絡み合って、アイリスプラザはネットシフトの先進企業として、今年も来年も飛躍できると確信している。

 

 これは日本国内に限った話ではない。アメリカ、中国、韓国、ヨーロッパにある各現地法人のネット通販の売上は倍々ゲームの勢いで伸びている。

 そんな背景があって、昨年春には、アメリカのアリゾナ州に3番目の工場が竣工した。

 

 さて、そうした活動の結果、2016年度のアイリスオーヤマの売上高は1220億円(対前年度15%増)となった。グループ全社の売上高は3460億円(同13%増)になり、大きく伸ばすことができた。

 

 今、当社の一番の課題は、供給力が足らないことにある。

 それを踏まえて、今年は、茨城県つくば市にLED生産を中心にした工場と国内最大の自動倉庫を備えた拠点を秋にも竣工する。

 また、宮城県内の脱酸素剤とカイロを生産している大河原工場も第1期増設工事が今秋に終わる。さらに、佐賀県鳥栖市の工場兼物流センターには、4万パレットの巨大自動倉庫が年内に完成する計画だ。

 海外ということでは、2018年末にフランスのパリ郊外に工場が完成する。アメリカは東海岸に4番目の工場を新設したい。従来、工場がなかった韓国にもソウル近郊に工場を設置する予定だ。

 

 生産拠点の増強は、ネットシフトに起因する。

 ものづくりの会社が一番苦労するのは、技術や生産ではない。その商品をいかに扱っていただけるか。そのために営業マンを配備している。

 そして、導入していただいた商品をいかに店頭で販売していただくか。その促進のために、TVCMを流し、当社専任の販売員であるSAS(セールスエイドスタッフ)を置いていただいている。

 

 しかし、ネット通販の場合は、こうしたことが不要になる。

 ユーザーの求める商品をメーカーがしっかり提供できればダイレクトなビジネスになる。

 

 これまで、われわれが海外事業でもっとも苦労したのは、ベンダーの壁、バイヤーの壁であった。壁を越えるために10年も、20年も費やさざるをえなかった。だが、これがなくなる。

 ネット通販は、壁が消失するから、商品力と価格競争力で一気に市場をつくることができる世界になる。

 その意味からもわれわれにとっては、大きく飛躍ができる素地が整ったといえる。

 

 地球を見渡すと、毎日のように、トランプ大統領がいかなる方針を出すのか戦々恐々としており不確実性の時代の幕があけたといえる。

 ヨーロッパでは、イギリスがEUを離脱し、混沌の時代を迎えている。

 

 当社は、現地生産・現地販売を基本とするので各国から期待され歓迎を受けている。

 昨年、フランス進出の計画を発表したところ、オランド大統領から経済戦略会議にぜひ出席してほしいとオファーをいただいた。

 

 ユーザーインの需要創造とネットビジネスでわれわれは色々な困難にあっても、乗り越えられると確信している。

 取引先の方々、小売業の方々、ユーザーの方々、アイリスグループの4方良しにしていきたい。

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