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第1681回

2016年12月6日

1万分の1 対 100分の1

千田 直哉

 職務が変わったこともあり、最近はよく外食産業(FS)の企業に顔を出している。

 

 それでも、結局行き着いているのは、食品スーパーとFSの比較である。

 両者がもっとも大きく異なると思うは、商品に対する姿勢だ。

 FSのトップほうが商品1品1品に対する思い入れや情熱が大きいように感じる。企業のトップ自らが、1品のレシピやセールスポイントを知り尽くしており、まるで落語家のようにおいしそうに説明してくれる。

 

 これは食品スーパーのトップにはほとんど見ない姿だ。

 

 でも考えてみれば、理由は当たり前であり、取り扱い総アイテム数が違うからだろう。

 食品スーパーの場合の1品とは約1万分の1。これに対してFSの1品は多いところでも100分の1――。つまりFSは1品1品のできばえが、直接業績を決めることになる。当然、1品1品に力を入れざるをえない。

 

「なんだ、そんなことか」。

 と、この話を終わらせるつもりはない。

 

 食品小売の世界は、ボーダーレス競争時代に突入しており、FSは食品スーパーの強力なライバル業態の1つであるからだ。

 もちろん、総菜づくりで手を抜いている食品スーパー企業は1社もないだろう。

 だが、ライバルは「商品命」としてなりふり構わず、必死に1品ごとに磨きをかけている。

 努力の量は、必ずしもおいしさとは比例関係にはないかもしれないけれども、両者の商品開発に対する大きな違いを知っておく必要はあるはずだ。

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