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第1673回

2016年11月7日

”天気産業”であるのだから(1)

千田 直哉

 決算短信には、決まったフォームがあるから、どうにもならないことはわかっているのだが、表紙のページからして疑問に感じてしまう。

 

 「営業収益」から「営業利益」「経常利益」「親会社株主に帰属する四半期純利益」と主要数値が並んでいるが、対比しているのは前年同期の数字。前年同期とのコントラストで企業の好不調を表そうとしている。

 

 しかし、対前期比の数字は、当てになることも多いものの、当てにならないことも多い。

 

 流通業の場合は、通年で安定した需要を見込める商材を扱っているのであれば、前年同期比の数字は、好不調を示す確実な指標になるかもしれない。

 

 けれども、「アパレル」を始めとする大抵の流通業は、“天気産業”に属し、天候に左右される。まして、ここ数年は、地球温暖化の影響を受けてか、毎年のように想像もつかないような天候不順が春夏秋冬を問わずに襲来する――。

 となれば、対前期比で数字が良いから業績が良い、悪いから悪い、という単純な話にはならないはずだ。

 

 しかしながら、決算短信のトップページからは、その辺の事情はまったく見て取れないし、そのことについてしっかりと説明する経営者も少ないような気がする。

 

 その意味では、過去数年の流れや、酷似する気象環境下での比較など、新しい切り口がどこかで出てきてもいい。

 

 もちろん、どんな天候でも一定の業績を上げることが経営者には課せられている。ただし、“天気産業”である以上、それには限界があると思う。

 

 

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