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2016年4月15日

カット野菜購入時は
「価格」と「味」を重視

ダイヤモンド・チェーンストア

文=青柳靖元
JC総研 経営相談部 主任研究員

 

 JC総研では、2008年以降、「野菜・果物の消費行動に関する調査結果」などを定期的に公表している。ここでは14年に調査を行ったカット野菜の消費行動について解説する。

 1人あたりの野菜摂取量は、年々減少傾向が続いている。とくに、フルタイムで働く女性層や若年層、単身層では顕著である。その一方で丸ごとの野菜の代わりにカット野菜を購入するケースが増えている。調理の手間を軽減する簡便化のニーズの高まりとともに市場規模が拡大しつつある。

 さて、カット野菜を購入する際の重視点について尋ねたものが、図表①(属性別)および図表②(年齢層別)である。トータルでのトップは「価格が安い」で23.5%、2位は「味が良い」で20.3%と、ともに20%を超えている。次いで「国内製造の商品」が17.9%、「国産原料を使用」が12.5%、「原料の原産国が表示されている」が10.4%となっている。

 野菜購入時の重視点を尋ねた別の調査では、「国産であること」は「鮮度」「価格」に次いで40%超。丸ごと野菜と比較するとカット野菜の「国産原料を使用」への関心は薄いとみられる。

 14年の調査を属性別に見ると、単身男性では「価格が安い」が30%を超え、「味が良い」も25.9%と全属性で最も高い。単身女性は「国内製造の商品」が21.9%、「国産原料を使用」が17.5%と高ポイントで、全属性中で国産へのこだわりが最も強い。

 年齢層別では、「価格が安い」は20代以下の32.7%に対し、60代以上では20%を下回り、所得が少ないであろう若年層の価格志向が伺える。「味がよい」は20代以下が24.8%、30代が24.9%と高年齢層に比べポイントが高く、若年層のほうが味にこだわる結果となったのは意外だった。一方、「この商品は買わない」は主婦および60代以上で30%を超えており、これらの層をターゲットとしたマーケティングに知恵を絞れば、新たな需要の掘り起こしが期待できるだろう。

 なお、カット野菜を購入する理由を聞いた別の調査では、トップが「料理の手間が省けるから」で62.5%、2位が「すぐに食べられるから」で52.3%。次いで「量が適量だから」が36.2%、「いろいろな野菜が食べられるから」が24.3%の順となった。また、購入場所は「食品スーパー」が93.6%と群を抜き、2位は「コンビニエンスストア」で18.5%という結果だった。

 カット野菜は、単なる野菜の代替品ではない。今後求められるのは、消費者のカット野菜への信頼感を高めるような商品だと思われる。商品開発を継続・発展させて安全・安心をアピールし、プラスアルファ効果を生み出せれば、野菜全体の消費量を底上げすることも可能だろう。

 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンの野菜スティックは隠れた人気商品だ。ロングセラーの秘密は、常に消費者の動向を分析し、味・野菜の組み合せ・サイズなどの改良を怠らない結果だと思われる。同商品は素材としてのカット野菜というよりは、加工度の少ない総菜やおやつ感覚の商品とも言えるが、こうした新たな発想での商品開発がますます望まれる。

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