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第134回

2016年3月9日

「100年視野に働き甲斐ある会社めざす」
5期連続で増収増益の平和堂
平和堂 代表取締役社 夏原平和

DIAMOND Chain Store

滋賀県を拠点に、近畿、北陸、東海地方で店舗展開する平和堂。商勢圏の競争は激化するが「全員参加型経営」をめざした施策が徐々に実を結び、ここ数年、増収増益の好調を続ける。2017年には創業60周年を迎え、さらに100周年を視野に、一体感のある企業風土の醸成にも取り組む。今後の事業展望について、夏原平和社長に聞いた。

聞き手=千田直哉(本誌) 構成=森本守人(サテライトスコープ)

 


「全員参加型経営」を志向

夏原 平和 なつはら・ひらかず 1944年9月15日、滋賀県彦根市生まれ。 68年、同志社大学法学部卒業、平和堂入社。
70年、取締役。75年専務取締役。
83年、取締役副社長。
89年、代表取締役社長。

──ここ数年、平和堂の業績は順調に推移しています。

夏平 そうですね。2016年2月期第3四半期の連結経営成績は、営業収益3206億500万円(対前年同期比4.9%増)、営業利益102億7700万円(同7.8%増)、経常利益108億8600万円(同7.9%増)でした。

 その後も同様の水準で推移、通期の公表値は営業収益4410億円(同5.2%増)、営業利益154億円(同9.0%増)、経常利益159億円(同3.5%増)で、いずれも過去最高となる見込みです。

──達成すれば12年2月期以来、5期連続の増収増益となりますが、上り調子を続けられる要因をどう分析しますか。

夏平 当社が商売の方針として重視しているのは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」を要素とする近江商人の商売の心得「三方よし」です。当社もこれにならい「お客様の満足」「従業員の幸せ」「地域への貢献」を重要な方針としています。

 そのため数年来、力を入れてきたのは正社員のほか、パートタイマーも含む「全員参加型経営」です。経営に参加するというと難しく聞こえますが、小売業として、お客さまに満足していただける品揃えや売場づくりを、皆で考えるということです。そういった施策を10年頃から継続して行っており、徐々に成果として表れてきたのではないかと感じています。

──確かに最近の店舗は、以前に比べ商品や売場が少しずつ変わってきているように思います。

夏平 当社の商勢圏は競合する有力な食品スーパー(SM)が増えるほか、ディスカウントストア(DS)、ドラッグストア、コンビニエンスストアといった業態を超えた戦いが激しさを増しています。これに対し、単に価格面で対抗するのではなく、楽しさや驚きを感じられる店づくりを実践しています。当社の店舗は「はずむ心のお買い物♪」をキャッチフレーズとしていますが、それを具現化する魅力的な商品、サービス、売場を従業員が全員で考え、工夫しているのです。

地場野菜が対前期比200%超増

「全員参加型経営」をめざし、平和堂が力 を入れる「ピカピカ実現活動」。年2回、優秀 事例を発表する大会を開催している
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──ところで、「全員参加型経営」を実践するための施策とはどのようなものでしょうか。

夏平 「ピカピカ実現活動」というプログラムで、10年上期にスタートしました。店舗の部門単位のチームが売場や商品、サービスを改善するため、目標を立て、独自の取り組みを行う内容です。11年度からは表彰制度を導入、優秀事例を発表する大会を年2回、開催しています。

 昨年10月に開いた上期全社発表会で、最優秀発表賞の第1位となったのは、「フレンドマート安土店」の「ありがとうといわれ隊」による、「店舗の魅力UPで、お客様をワクワクさせる店づくり」をテーマにした発表でした。子育て世代のお客さまの数と足元商圏のシェアアップ、上期のお客さまの数40万人を目標に、さまざまな取り組みを行いました。

 子育て世代に対しては、お客さま参加型イベントとして父の日にお父さんの似顔絵を募集しました。また、JAと連携した「とうもろこし収穫体験」を実施したりしています。一方、お客さまの満足度を上げるための取り組みは、独自の感謝祭を開催するほか、カブトムシやクワガタムシをプレゼントするといった内容です。これらにより、30歳代のお客さまの数は対前期比7.1%増、同じく30歳代の売上高は同18.4%増、上期のお客さまの数は同5.5%増となりました。1次、2次商圏シェアとも昨年比で5ポイント近く拡大しました。

 第2位は、「フレンドマート・G 宇治市役所前店」の「ワクワク・ドキドキが止まらない!! 楽しさあふれる花売場、地場野菜コーナーに!!」で、地場野菜コーナーや花鉢の売上高拡大をめざしました。

 地場野菜では品質や大きさに特徴があるタケノコやキャベツのほか、「白ゴーヤ」など珍しい商品も取り扱い、特徴や食べ方をPOPで訴求しました。花鉢は、母の日のコーナーを特設したり、均一セールを行ったりしました。これにより、地場野菜は、対前期比216.9%増、花鉢の売上高は対前期比23.9%増、SM営業部でトップの成績を残しました。

──発表会場の雰囲気はどのようなものなのですか?

夏平 各チームともユニフォームや発表時の演出も工夫しており、会場は大いに盛り上がります。発表者だけでなく各店からの応援者も多く、毎回、1000人以上の参加者があります。職場の結束力が強まるという副産物的な効果も生まれています。

 

大会には毎回、1000人以上が参加。各店からの応援者も多く、会場は大いなる盛り上がりを見せる

 

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