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2016年2月15日

訪日中国人観光客のSMの利用状況
手ごろな価格の食品、化粧品等を購入

ダイヤモンド・チェーンストア

文=佐野紳也'& 三菱総合研究所 政策・経済研究センター

 

 

 2015年の訪日客は1973万人。そのなかで中国人は499万人と全体の4分の1を占めている※1。買物金額も中国人観光客が最も高く、1人当たり16.2万円である※2。中国人観光客が、いわゆる「爆買い」をする目的は、①自分用、②買物を頼まれた友人・家族・親戚用、③贈答用、④転売用の4つに分けられる。1人で何人分もの買物をするだけでなく、面子を保つため大量の贈答品を買う。

 

 三菱総合研究所は15年8月、北京市・上海市・広州市在住で、過去1年間に日本を訪問したことのある人を対象に、「訪日中国人買い物行動調査」を実施した。回答者数は1001名である。

 

図表1は、商品の品目別に見た、中国人観光客の購入割合だ。14年は、温水洗浄便座や炊飯器など耐久財の「爆買い」が話題となっていたが、現在は化粧品、食品など非耐久財の購入が多い。中国人観光客の約4割を占める20代、30代の女性が、日本の化粧品、日用品、食品を好む傾向を反映しているようだ。

 

 

図表2は、業態別来店率と商品ジャンル別購入率だ。団体旅行の場合、スーパーマーケット(SM)は、ツアーの訪問先となっていることは少ないが、観光地などでの自由行動時やホテル到着後の夕方、夜に自主的に行くことが多い。とくに「菓子類(52%)」、「その他食料品・飲料・酒・たばこ(47%)」、「化粧品・香水(20%)」が購入されている。

 

 化粧品は、百貨店では高級ブランド品、SMでは普及品を購入している。SMで普及品を購入するのは、手ごろな価格だからだ。とくに、日焼け止め、リップ、ボディクリームなどが購入されている。

 

 

 今後、中国人の個人旅行客※1:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」(2015年推定値)※2:観光庁「訪日外国人消費動向調査」やリピーターが増加してくる。それに伴い、SMやコンビニエンスストアに立ち寄る機会が多くなるだろう。その機会を生かすためには、以下のことが重要だ。①SMには「本当の日本」「日本の日常生活」があることをアピールする。②中国語のアクセスマップを用意しホテル等に配布する。ネットにアップするとなおよい。③品揃え。中国人は事前に作成した買物リストに沿って商品を購入していることが多い。買物リストは主に中国のSNSでの情報に基づき作成されるので、その動向を把握し、商品を品揃えする。④中国語の商品説明。商品の種類が多く、その差がわからず購入しないことも多い。中国人は、美容ポータルサイト「@cosme」の情報も参考にするので活用すべきだ。中国人観光客の多くはスマートフォンを持っているのでQRコードを利用し、メーカーの中国語商品説明サイトなどに誘導してもよい。⑤食品については試食が有効。新商品だけでなく、定番商品についても機会を設けるとよいだろう。

 

※1:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」(2015年推定値)
※2:観光庁「訪日外国人消費動向調査」(2015年速報値)

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