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2009年10月19日

「高質食品専門館」をめざす阪食の成長戦略について

千野 和利

株式会社阪食 代表取締役社長 千野 和利

新たなコンセプトを新店2店で展開し計画を上回る売上達成

 

 昨年秋のリーマンショック以来、日本の市場環境は大きく変化した。今後の事業成長のための基盤も大きく変化してしまったと言えるだろう。2008年までは20世紀の延長であり、大きく変化した2009年からが本当の21世紀の幕開けと思わなければならないほどの変化である。その中で新しい時代の新しいルール、新しい価値観に対応するためにどのようなビジネスモデルを作っていくかというのが非常に大きな課題となった。

 

 そして全ての流通業態が「低価格」に突っ走っているが、果たしてこれでいいのだろうか。食品においては安全・安心は基本でありそれにプラスしてお客様に納得してもらえる価格というのが必要条件であり、それに加えて充分条件としての新しい付加価値を産み出す努力が必要ではないかと思う。

 

 阪食は阪急百貨店、阪神百貨店の経営統合誕生したH2Oホールディングス傘下の第2の核として育成しているSM事業である。関西を基盤にドミナントと展開しており店舗数は61店舗だが、近い将来にはできれば100店舗に拡大したいと考えている。売上は2000年度に300億円だったが2009年度には3倍以上に成長する。売上を2000億円、営業利益率4%で80億円の営業利益をあげることを当面の目標としている。

 

 そして現在の3ケ年計画では逆風下での成長戦略の推進と不況期を脱出した時の新しい時代におけるビジネスモデルの創造の2点が主要な政策である。そのビジネスモデルの創造の中で阪食のポジショニングについては購買層のアッパーミドルを中心ターゲットとして、「高質食品専門館」を展開する。もちろんアッパー層だけでは2000億の達成は難しいだろう。そこでアッパーミドル層を中心としてさらにアッパー層もミドル層もターゲットに加えていくための戦略を検討してきた。

 

 この1年間プロジェクトチームを作って国内外のSMを訪問し実情を見学し検討を繰り返してきた。何と言っても小売業において一番大切なことは商品政策であり、アッパー層に対するMDの特化軸づくりに加えミドル層に対し阪急グループとして永きにわたりご愛顧いただけるPB商品の開発を押し進めながら低価格ニーズへの対応を図ってきた。そしてプロジェクトチーム検討課題で重要なのは売り場作りの3つのコンセプトだ。まず商品の専門性を高めること。つまりはMDの専門性の向上とその商品をどのような空間で売るのかというVMDの検討である。二つ目はライブ感。売り方も工夫しお客様との距離を縮め単に商品を並べる、あるいは加工して販売するというやり方から、できる限り人を介在させることで昔の市場の雰囲気を演出したいと考えた。店舗にとって商品は大事だが、店舗における差別化も必要だし、癒しや潤いを演出することも重要だと考えた。当然の事ながら売場におけるライブ感演出の為の人件費増大を防ぐ為にもバックヤードの徹底的な仕事の見直しは不可欠である。最後は情報発信の場としての売場づくりの工夫を如何にするかである。

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