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第4回

2015年12月15日

ID-POS分析実践における課題と対策

顧客データ分析のゴールは、顧客視点から、商品、チャネル、マーケティングなどの機能をバリューチェーン横断で最適化し、顧客への付加価値を最大化することである。今回は、分析を推進するためのロードマップを整理し、それを推進していくうえでの課題と成功企業のアプローチを紹介する。

文=原島淳(SAS Institute Japan ソリューションコンサルティング本部CIグループ マネージャ) 増田聖子(同シニアコンサルタント)

 

データ分析の価値向上に向けたロードマップ

 

 競争が激化し顧客主導型経営が求められるなか、小売業はこれまで以上に顧客をよく理解し、より高い付加価値を提供していく必要がある。顧客理解を起点として、商品、チャネル、マーケティングなどの機能をバリューチェーン横断で最適化することで、顧客への付加価値を最大化できる。

 ただ、この顧客理解を起点とした商品・チャネル・マーケティングの最適化は、さまざまな業務(における判断)のやり方を変える必要があるため、そう簡単ではない。しかし、だからこそ競合がたやすく模倣できない競争優位を確保できる。段階的に推進する取り組みとなるが、一般的には次の3つのステージが考えられる。

 

●導入:1部門で実施。まずは施策を限定して分析を行い、検証し、分析方法を確立させる。たとえば、マーケティング部門が顧客のセグメントを作成し、セグメント別の販促を行う。

●展開:段階的に複数部門に展開。たとえば、上記でつくった顧客セグメントを起点に、商品開発、基本商品構成、個店品揃えなどを最適化し、相乗効果を最大化する。

●高度化:分析の高度化による成果の改善。昨今のオムニチャネル化に伴い、チャネル横断のシームレスかつリアルタイムの1:1マーケティング手法、あるいは、ネット店舗のダイナミックに変動する市場価格を前提とした価格最適化、1:1プライシングなどの新たな手法が台頭している。

 国内の小売業では、導入、展開のステージにある企業が多いと筆者は認識している。以下、導入・展開のステージにフォーカスしていきたい。

 

導入・展開ステージの課題と成功企業の取り組み

 

 業務の最適化は、顧客データ分析を起点とする仮説・検証のサイクルを的確かつ高速に回すことで実現される。

 ポイントは、仮説・検証のインプットとなる「(1)分析内容の設計」、分析と仮説・検証を回すための「(2)人材・体制」と「(3)IT」の設計だ。これらの観点から、どんな課題があって、成功企業がどう取り組んでいるかを見ていこう。

 

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