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2009年6月1日

どうする!?
新型インフルエンザ対策

 4月にメキシコや米国で感染が続出し始めた豚由来の新型インフルエンザは、5月16日に神戸市で海外渡航歴のない日本人男性の感染が確認されるにいたり、国内の感染状況は第2段階(国内発生早期)に入った。

 

 ただ、政府やメディアの過剰気味の反応が収まり、また、今回の新型インフルエンザが伝播力と感染後の症状の重篤さにおいて通常の季節性インフルエンザと同等、あるいはそれ以下ということがわかってきて、事態は沈静化しつつある。

 

 とはいえ、インフルエンザ・ウイルスの活動は気温の低下と共に活発化するので、秋から冬にかけて感染が拡大する懸念もある。さらに、現時点では弱毒性といわれる新型インフルエンザも、ウイルスの突然変異によって強毒性に変わる可能性がないわけではなく、決して油断はできない。新型である限り、ワクチンは現時点では世界のどこにも存在せず、それを大量生産できるようになるまでは、そうとうの時間を要するからだ。

 

 さらにいえば、一昨年来、ヒトへの感染が注目されている鳥由来の新型インフルエンザ(H5N1型)も大きな懸念材料となっている。こちらは強毒性で、伝播力、感染後の致死率ともに通常の季節性インフルエンザよりはるかに高いといわれている。

 

 こうした点を勘案すると、従業員やその家族および来店客の健康と安全を守り、かつ企業としてのライフライン機能の維持という社会的役割を果たさなければならない小売業各社にとって、新型インフルエンザ対策は喫緊の課題といえよう。

 

現状では大きな混乱なし

 

 さて、今回の新型インフルエンザへの小売業の対応がどうなっているか。現時点での状況を業界団体に尋ねてみた。

 

 オール日本スーパーマーケット協会(AJS)で会員企業へのヒアリングを行なったところでは、従業員のマスク着用のほか、感染地域では総菜のばら売りの中止(パック売りへの変更)などの対応が一般的という。なかには、レジで釣り銭を渡す際に、従業員が声出し確認をやめている企業もあるようだ。飛沫感染を懸念する客への配慮であろう。

 

 また、家庭で必要となる備蓄品リストを作成し、一部の客に配布している企業もある。大手スーパーでも以前から家庭用の備蓄品リストを一部の客に渡している例がある。ここで留意すべき点は、来店客すべてに備蓄品リストを配ったり、あるいはリストを大型ポスターにして店内に張り出したりすると、客の買いだめをあおることにつながりかねず、混乱拡大を誘発するおそれがあることだ。極端な場合、「便乗商法だ」「リスト掲載品を買い占めているのではないか」といった社会的批判を受けることにもなりかねない。

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