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第13回

2015年7月30日

「安全な農産物の認証制度 JGAP」(2)

JGAPは、農場を対象とした品質管理手法である。JGAPとはJapan Good Agricultural Practiceの略であり、直訳すれば「日本の良い農業のやり方」となる。世界的に普及が進んでいる「農業生産工程管理手法(GAP)」の日本版だ。
今回お話を伺ったのは、一般財団法人 日本GAP協会の荻野宏事務局長、そして特定非営利活動法人 アジアGAP総合研究所の武田泰明専務理事である。日本GAP協会はJGAPの制度づくり、アジアGAP総研はGAPの研修・指導・コンサルティングを行う組織である。JGAPとは何か。JGAPは流通業者にどのようなメリットがあるのかを尋ねた。

 

3. JGAPのこれから

 

表2:JGAP認証農場数
出典:日本GAP協会パンフレット

 

 表2は、JGAP認証を受けた農場の数を表したグラフである。制度発足以来常に増加を続けてきたが、特に2014年から2015年にかけては大幅に認証農場数が増加した。JGAPの普及に向けた動きが様々な方面で活発に行われていることが背景にある。

 

 流通業者においては、JGAPをPB(プライベートブランド)で活用する例が増えているという。複数の農園から農作物を仕入れて1つのPBとする場合、均一的な安全管理を行うことが難しい。しかし全ての農園がJGAPを導入すれば、企業・農園の枠を超えて安全を担保することが可能となる。

 

 食品製造業もJGAPの活用を始めている。武田氏によれば、某大手飲料メーカーは自社のペットボトル緑茶飲料で使用する茶葉を全量JGAP認証農場のものにする旨を決定したという。これにより今年に入ってから茶園がJGAPを取得する動きが加速している。

 

 農業者の側でも、農産物でブランドを興すならJGAPを取る、というのがトレンドになりつつあるという。静岡県の高糖度トマト「アメーラ」などが代表例である。

 

 最近では、2020年東京五輪の選手村で提供する食事にGAP取得農場の農産物を使おうという機運が高まっている。これを受け複数の都道府県からアジアGAP総研にGAP導入に関する問い合わせが来ているという。今後もますますGAP普及に向けた動きは強まっていくだろう。

 

 特に今注目されている点として武田氏が挙げたのが「人権」に関する問題だ。近年、外国人農業研修生の過酷な労働環境が問題となっている。農業に関する人権問題の疑いが発生すれば、その農産物を取り扱う企業もブランドイメージが傷つく事は避けられない。2015年度のJGAP改訂では、労働者の人権に関する事項を導入する見通しとなっているという。

 

 安心、安全、そして人権。JGAPは生産者を、消費者を、食品業者を、そして流通業者をリスクから守る存在だ。今後ますます広まりを見せるであろうJGAP認証農場の農産物に注目してみるのはいかがだろうか。

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