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2015年6月24日

ファクトベースで検証する出店戦略〈4〉
売上予測の決め手は「通行量」

 出入口の数は、多いほど高く評価できます。理想的なのは、角地に立地し、出入口が2つあるような店舗です。事実、京都や名古屋、札幌といった碁盤目状の都市は角地が多くなるので、角地自体の価値は相対的に下がりますが、一方路(中間画地)に比べて売上は確実に増えます。

 

下の図を見てください。店舗前歩道幅、セットバック・段差、角地について、それぞれ3段階で評価していますが、評価5と3の間は評価4、評価3と1の間は評価2とします。

 

 

 今回はこれら3点に絞って解説しましたが、実際の調査項目は多岐に渡ります。そうしたさまざまな要素が絡み合い、店舗の特性が浮かび上がるのです。

 

「+アルファ」という複合的要素の効果とリスク

 

――購買チャネルの選択肢が増えて消費者行動が変化する中、顧客の来店動機は「立地×商圏+アルファ」へ向かっています。「+アルファ」とは、店内の雰囲気や独自性の高い商品・サービスといった複合的要素です。最近は、そうした複合的要素を前面に打ち出す企業が増えてきました。

 

 複合的要素は、新規店舗の出店戦略において重要性を増しつつあります。最もシンプルな例は、店内の「可視化」でしょう。全面ガラス張りにして多くの女性客を集めているクッキングスタジオは、その一例です。料理をしている自分の姿を見てもらいたいという女性の潜在的欲求に応える演出といえます。企業側にとっても、店内でどんなレッスンを行っているかが一目でわかってもらえるメリットがあります。

 

 ただし、複合的要素の効果は業種や業態によって異なり、差別化のポイントを見誤って失敗するケースも多々あります。たとえば、ある足裏マッサージ店が、クッキングスタジオと同じような全面ガラス張りの店舗を出店しましたが、女性客に敬遠され、半年足らずで撤退しました。複合的要素は、数値化するのが難しく、順位付けもしにくいのがやっかいです。

 

――居酒屋チェーンでは最近、焼き鳥専門チェーンや「△×水産」系チェーンなど、専門化という切り口を売り物にする傾向が目立ちます。

 

 そういう傾向はありますが、長いスパンで見れば、専門化の次は再び総合化というサイクルの繰り返しです。消費者行動は、常に変化し続けるものなのです。

 

 行列のできる店は人気店と見られていますが、これに対し一部の外食チェーンが「サイレントオープン」を採用しています。これは、開店当初はあえて宣伝をせず、一定期間サービスの品質向上に努め、来店客を最高の状態で迎えられるようになって初めて宣伝をするという手法です。

 

 行列ができるということは、見方を変えれば来店客を待たせているわけで、良質なサービスが提供できていないケースも散見されます。長期的に安定したビジネスを維持するには、ブームを追いかけるよりも、顧客に最高の商品・サービスを提供するという基本的命題を追求し続けることが大事です。

 

<<<関連資料:ダイヤモンド・オンラインサイト
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