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第1619回

2015年5月28日

イオンの株主総会で岡田元也社長が話したこと 「Health&Wellness」と「イオン経済圏構想」

千田 直哉

 2015年5月27日。イオン(千葉県/岡田元也社長)は第90期定時株主総会を開催した(@幕張メッセ)。その場での岡田元也社長の発言を紹介したい(談:文責・千田直哉)

 

 2014年度は営業収益が7兆785億円(対前期比10.7%増)と過去最高になった。

 しかし営業利益は1413億円(同17.5%減)で減益となり、約束を守れなかった。深くお詫びしたい。

 

 2015年度に入って、これまで取り組んでいた改革が徐々に成果を挙げてきた。

 各事業の業績は第1四半期(1Q)では改善傾向だ。

 1Qを事業別でみると、2014年度に好調だったディベロッパー事業と金融事業については、引き続き前年を上回り、順調に推移している。

 

 小売事業については、2014年度は消費税増税の影響を受け、3月の駆け込み需要、4月の大反動などがあったので1Qトータルでみる必要がある。そこで途中段階ではあるが5月の直近の数字までをみると、食品スーパー(SM)事業、ドラッグストア事業、GMS(総合スーパー)事業とダイエーともに、3月は駆け込み需要反動減があったものの、4月からは回復。1Qトータルでも対前年を上回るペースで伸びている。

 

 以下では中長期の方向性について話をしたい。

 その前にイオングループの構造改革について簡単に触れる。

 2008年度の純粋持ち株会社への移行から、2014年度まで事業統合を進めてきた。

 ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/上田真社長)の新設やドラッグストア事業の統合など、長年のテーマのひとつを達成することができた。
これで8兆円体制が確立された。

 また、純粋持ち株会社の見直しも行った。事業会社および地域や現場の機能強化を図り、その分、純粋持ち株会社の人員を半減し、スリム化してスピードアップしようとしているところだ。

 

 今年度は、この新しいグループ経営体制の中で、「Health&Wellness」(ヘルス&ウエルネス)と「イオン経済圏構想」の2つのテーマを設けて対応していきたい。

 

 まず、「Health&Wellness」ということでは、今日のお客さまは老若男女を問わず、単なる物的な満足から、心身ともに健康で生き生きとした質の高い生活を求めている。

 そうした動きへの対応をイオンの「Health&Wellness」のコンセプトで事業化していきたい。健康で豊かな生活に貢献できる取り組みを強化し、成熟社会の中で求められている生活の質はどういうものであるのかを提案していきたい。

「Health&Wellness」は単純にドラッグストア事業を指すものではない。薬や健康に直結するものだけでなく、食品や衣料品、住居余暇関連、サービスや金融についても大いに関係している。

 たとえば、食品においては、「ナチュラル」であることが肝要だ。その点からすれば、現在、我々はフランスの冷凍食品専門チェーンの「ピカール」と提携し、同社の商品を実験販売しており大変好評だ。冷凍食品は、その名の通り、冷凍するので保存料が不要だ。利便性・簡便性のメリットはもちろんだが、こんなところからも、お客さまからの支持が高まっていると考えている。

 とはいうものの、ウエルシアホールディングス(東京都/水野秀晴社長)が事業の柱になることは明らかだ。

 一方、イオンのGMSも「Health&Wellness」分野の売上高は現時点で1兆円規模であり、グループとしては巨大なスケールを持っている。

 

「イオン経済圏構想」は、東京一極集中の弊害が語られ、地域分散の流れの台頭が起点になる。お客さまに地域に根差したライフスタイルが定着していることを受け、しっかり対応していくというものだ。

 それぞれの地域におけるあらゆるニーズに応えられるイオン。「イオン経済圏構想」は、「ONE AEON」(ひとつのイオン)として、イオングループを挙げて、「オムニチャネル」「物流」「ポイント」「決済システム」など生活プラットフォームを構築していく。

 これによって、グループの多面的サービスを地域単位で統合し、カスタマイズすることで地域の生活全般を支援していきたい。

 人口減少社会の中では、お客さま1人1人の支出内シェアを高めていかなければ生き残れない。

 そして、お客さま1人1人のグループにおけるシェアを拡大したい。

 

 2014年度は「Health&Wellness」と「イオン経済圏構想」の枠組みづくりに努めた。2015年度は確実に業績につなげていきたい。
 

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