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第1504回

2014年11月5日

ローソンとアマゾンが協業!

千田 直哉

 さて、昨日のBLOGの続きである。

 昨日はアマゾン ジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長:以下、アマゾン)とローソン(東京都/玉塚元一社長)が協業に関する記者会見を開く、というところで終わった。

 本日は、その記者会見の内容を報告したい。

 

【ローソンは、2008年7月からアマゾンの取り扱う商品のコンビニエンスストア(CVS)での受取りサービスを開始。過去5年間で取り扱い件数が当初の約2倍に増加したことを受け、この“取引関係”を“協業関係”に一歩進める】というものだ。

 

 第1弾は、本日(11月5日)から、静岡県内のローソン(全199店舗)でマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」を通してアマゾン商品の注文を可能にする。

 これにより、パソコンやスマートフォンを持たない地方在住者や高齢者も、アマゾンが扱う1億アイテムの商品購入できることになる。実験の結果を検証しながら、同社の約1万2000店舗に順次導入していく予定だ。

 

 Loppiによるアマゾン商品の発注の大きな流れは以下の通りだ。

 ローソンは、店内入口や売場に商品のリーフレットやQRコード付きの「カテゴリーカード」を設置。お客は、「ヘアカラー(白髪染め)」「シャンプー」「リンス」「ボディソープ」「洗顔料」「紙製品(おむつ)」「オーラル(義歯用品)」「ペット用品」など全18種類の「カテゴリーカード」のうち興味のあるものをピックアップして、Loppiにかざす。

 Loppiの画面には写真付きの登録商品一覧が現れる。

 お客は、その中から、購入したい商品を選び、注文する。

 

 また、こうした作業に不慣れなお客に対しては、Loppiに付属の電話でオペレータと直接会話しながら注文する。

 もちろん、アマゾンのアカウントは不要。またクレジットカードでも現金でも決済できる。

 

 2つめの取り組みは、CVS店頭でのアマゾン商品の受取りをさらに便利にするというものだ。

 従来のアマゾン商品の店頭受取りサービスは、①Loppi認証に1分20秒、②店員が該当商品を探し出すまでに1分、③その後のレジ操作に45秒、④お客のサインなどに1分10秒。受け渡し完了までに合計4分15秒も要していた。

 しかし、今後は、発注時点で、アマゾンからお客にバーコードを配信。お客は、そのバーコードをPOSレジでスキャンしてもらい、該当商品を渡してもらう形に変更する。
改善後は、①レジでの認証に5秒、②該当商品探し1分、③レジ操作45秒と合計1分50秒となり、実に2分25秒の短縮が図られることになる。

 

「マチの変化に対応したチャネル戦略の一環だ。お客様の行動が多様化しているので、そのニーズに応える必要がある」と説明するのは玉塚社長だ。

 

 今回の協業の発端は、店頭受取りに4分15秒も要してしまう不便さをアマゾンとローソン、双方の現場レベルで改善に乗り出したことだ。

 今後、両者はさらなる取り組みに努めるとしている。

 

 現在、アマゾンは、ローソンだけではなく、ファミリーマート(東京都/中山勇社長)ともCVS店頭受取りサービスを実施している。アマゾンのジャスパー・チャン社長は、「さらに多くの小売業に受取りサービスを展開したい」と意欲をあらわにしている。

 ただし、CVS業界最大手であるセブン‐イレブン・ジャパン(東京都/井阪隆一社長)へのサービス提供については言及を避けた。

 

 さて、同じ会見の場でローソンは、新しいオムニチャネルの形である「オープンプラットフォーム戦略」を明らかにした。

 全国に2500台のトラックを巡回させ、1日に3~5回の納品をする物流網を統合。ローソンの店舗を宅配・ピックアップの拠点に据え、①EC・通販業者、②メーカー、③他の小売企業、④物流事業者などと連携し、魅力ある商品を宅配する。

 また、同社の宅配サービスの「ローソンフレッシュ」や資本提携関係にある「らでぃっしゅぼーや」(東京都/国枝俊成社長)や「大地を守る会」(千葉県/藤田和芳社長)、買収した「成城石井」(神奈川県/原昭彦社長)などの青果・食品宅配にも注力する。

 アマゾン商品の店頭受取り、注文取り寄せはもちろん。さらには、店舗でお客を待ち受けるだけでなく、御用聞きサービスなども実施。ローソンの店舗網を活用したオープンプラットフォームにより、お客への利便性を提供するというものだ。

 

 こうした政策を実施することで、ローソンは2013年度のEC取扱高1300億円(1日11万件)を2017年度には同5000億円(同45万件)に増加させ、既存店舗の客数、売上、取扱手数料の拡大につなげる。
 

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