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第5回

2014年10月9日

不満にさせない接客のスキル(3)姿勢・話し方

佐藤由利(さとう・ゆり)
オフィス・ラポール代表 接客トレーナー 1991年日本航空株式会社に国際線客室乗務員として入社。 2005年チーフパーサー資格取得。主にニューヨーク、シカゴ、ロンドン、パリ路線のファーストクラスサービスを担当するとともに後進育成、CS向上プロジェクトの指揮を執る。 2010年サービス訓練教官として勤務、現役乗務員のスキルアップ訓練、1000名超の新人育成に携わる。 2013年の退職後、外資系ホテルにてマネジャーとして勤務。その後は広く接客の心と技を広めるため、独立。現在接客トレーナーとして飲食店やホテルの接客アドバイス、企業マナー研修などに尽力している。 日本に留まらず、中国でも接客講師の育成を行うなど接客力向上の啓蒙に力を注いでいる。

 こんにちは。接客トレーナーの佐藤由利です。

 

 お客様へ感謝の気持ちを伝え、またご来店いただくのに極めて重要な項目は、身だしなみ・笑顔・アイコンタクト(目線合わせ)・挨拶・姿勢・話し方でしたね。

 

 前々回から3回に亘ってお送りしている具体的な接客スキルの最終回は、姿勢・話し方についてです。

 

 身だしなみと同様、その人の仕事に対する取り組み方、やる気の有無が顕著に表れる部分が姿勢です。やる気があって猫背の人はあまりいないと思うのですが、いかがでしょうか?

 

 例えば、まずあり得ないことですが、ディズニーランドで姿勢の悪いミッキーマウスを見たらゲストはどう思うでしょう(笑)がっかりしますよね。

 

 パークで会うミッキーは、しゃべらずとも姿勢(振る舞いも含む)で、ゲストにハピネスを届けているのです。

 

 店のスタッフはディズニーランドのミッキーマウスに値する存在です。ミッキーのように姿勢がピーンと伸びていて、清々しい、楽しさに満ちたスタッフがいる店は活気に溢れています。そういう店にはお客様が自然と集まるでしょう。

 

 心と体は影響しあっているものであり、切り離せません。

 

 やる気があれば姿勢は伸びているものですが、その逆も真なり。姿勢を正すと不思議と心も整ってくるものなのです。

 

 コストも時間もかからないことですから、即実行に移してください。

 

 最後は話し方です。

 

 感情がこもらない「おもてなし“もどき”の言葉」ほど、相手を残念な気持ちにさせるものはありません。

 

 つい先日も飲食店で経験しました。

 

 料理を運んできた後に、そっぽを向きながら無味乾燥な言い方で「ごゆっくりどうぞ~」と言われたときには本当にさびしい思いになりました。

 

 極論を言えば、話している内容、言葉遣いは関係ないのです。

 

 「どう」話しているかが重要なのです。

 

 言葉は言霊。魂を入れない言葉ばかり口にしていると、温かい心まで逃げて行ってしまいます。ごゆっくりどうぞというセリフを言うことが目的ではなく、大切なお客様にくつろいでいただきたいという「気持ちを伝える手段」がたまたま言葉として「ごゆっくりどうぞ」という形になっているだけのこと。

 

 スタッフがお客様にかけている言葉を聞いて、温かい気持ちになりますか?それとも寒い気持ちになりますか?意識して観察してみると、スタッフの心根が見えてきますよ。

 

 お客様に感謝の気持ちがあるかどうか、すべて表れてしまっているのです。表情に、言葉に、態度に、身だしなみに。

 

 そして、お客様は敏感に察知して、自然に居心地の良い店に流れていくのです。

 

 いかがでしたでしょうか。

 

 3回に亘ってお送りした接客スキルの基本、どれも言葉にするとありふれたものです。しかしながら、これらを「店として事業所として」お客様に伝わるレベルにしていくには理念の浸透、リーダーの在り方、育成のベクトル合わせなどの根幹の部分から構築することが不可欠であることがお分かりいただけたと思います。

 

 スキルはなくてはならないものです。しかし、いくらマニュアルで「やり方」を指示しても、スタッフ個人個人のマインドが育成されていなければ、結果お客様を失うことにつながるのです。

 

 次回は、お客様心理にフォーカスしたサービスの向上策についてお話していきます。

 

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