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第4回

2014年7月21日

不満にさせない接客のスキル(2)

佐藤由利(さとう・ゆり)
オフィス・ラポール代表 接客トレーナー 1991年日本航空株式会社に国際線客室乗務員として入社。 2005年チーフパーサー資格取得。主にニューヨーク、シカゴ、ロンドン、パリ路線のファーストクラスサービスを担当するとともに後進育成、CS向上プロジェクトの指揮を執る。 2010年サービス訓練教官として勤務、現役乗務員のスキルアップ訓練、1000名超の新人育成に携わる。 2013年の退職後、外資系ホテルにてマネジャーとして勤務。その後は広く接客の心と技を広めるため、独立。現在接客トレーナーとして飲食店やホテルの接客アドバイス、企業マナー研修などに尽力している。 日本に留まらず、中国でも接客講師の育成を行うなど接客力向上の啓蒙に力を注いでいる。

 こんにちは。接客トレーナーの佐藤由利です。

 

 お客様へ感謝の気持ちを伝え、またご来店いただくのに極めて重要な項目は、「身だしなみ」「笑顔」「アイコンタクト(目線合わせ)」「挨拶」「姿勢」「話し方」でしたね。

 

 前回から3回にわたってお送りする具体的な接客スキル、第2回の今回は、「アイコンタクト」「挨拶」についてです。

 

 まず「アイコンタクト(目線合わせ)」ですが、「目は口ほどにモノを言う」という言葉もある通り、目は雄弁に多くのことを語ります。

 

 ここではスキルとしての目線合わせについて。

 

 気持ちを伝えるには、特にラストアイコンタクトと呼ばれる、対応後の目線合わせが重要です。終わりよければすべてよしという言葉もあります。この最後の目線合わせが、お客様にとっては大切にされたと思う機会になるのです。

 

 飲食店などでよく経験しますが、注文した品を持ってきた際にスタッフにありがとう、と言おうとしたらもういなくなっていることが多い。そんな時のお客側の寂しい気持ちといったら、相当なものですよ(笑)。

 

 そのスタッフの頭の中を想像してみましょう。

 

 この飲み物出したら次にあのテーブルに行って注文とって、その次は厨房に準備できている料理をあのテーブルへ……、なんていう手順でいっぱい。だから提供した瞬間次の行為に移ってしまう。目線はすでに直近のお客様のところにはない訳です。手順のことしか頭にないからです。

 

 最後の目線合わせには、お客様へのおもてなしの気持ちがこもっているのです。つまり「残心」の証がラストアイコンタクトなのですね。

 

 だからこそ、残した心が伝わり、お客様は大切にされていると実感することができるのです。対応した後にたった1秒、目線を合わせるだけで与える印象は全く変わってきますよ。是非実践していただきたい技です。

 

 次に挨拶です。

 

 挨拶の意味、知っていますか?「挨」は心を開く、「拶」は心に迫るという意味があります。つまり、心を開いて迫るのが挨拶です。商売に挨拶はつきものですが、その挨拶をどれだけ大切にしているでしょうか。マンネリになってしまって、ただの言葉になっていないでしょうか。

 

 いらっしゃいませ、ありがとうございましたという「言葉をかけること」自体が挨拶ではありません。自分の店にお越しいただいてありがたい、という「気持ちを伝えるカタチ」がいらっしゃいませなのであり、またご利用くださいの「気持ちを伝えるカタチ」がありがとうございましたなのです。

 

 感情のこもらないただ大声での挨拶、はたまたレジのところでありがとうございました、と一瞬手を体の前で組むお辞儀もどきの所作では、決して気持ちは伝わりません。むしろ逆効果のこともあります。

 

 皆さんのスタッフの挨拶は、お客様の心を開き心に迫るものでしょうか?挨拶にしっかりとした気持ちを込めれば、お客様は本当に気持ちよく買い物ができ、お客様の再度のご来店につながっていくのです。

 

 次回は、『不満にさせない接客のスキル(3)「姿勢」「話し方」』についてです。

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