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2010年8月30日

JR東日本ウォータービジネス
デフレ時代にあえて貫くアンチデフレ戦略で急成長

 長引く不況の影でデフレ傾向から抜け出せない日本経済。しかし、そんな中でも「アンチデフレ戦略」を貫き、かつ成長している企業がある。JR東日本グループの飲料部門が2006年に独立して、新たに設立されたJR東日本ウォータービジネスもその1社。2009年度の同社の飲料自販機の年間売上235億円は、独立前、2005年度のJR東日本グループ全体の飲料自販機の売上と比べて134%に相当する。つまり、4年間で売上を3割以上も伸ばした。この間、飲料業界全体の売上は低迷し、同社が主力とする自販機市場も毎年シェアを落としている。厳しい市場の状況をはねのけて、成長を遂げた意味は大きい。その躍進を支えた原動力とはなんだったのか、2009年から同社を率いる代表取締役社長・田村修氏に聞いた。

 

自販機の常識を覆すブランドミックスと自前のSuicaの強み

 

 自動販売機は、飲料業界にとっての一大販路であり、かつては飲料売上全体のおよそ半分を占めていた。それが直近では4割を大きく割り込んでいると言われている。さらにここにきて、スーパーやコンビニエンスストアなどでの安売りに引きずられる形で、定価販売が当たり前だった自販機にも安売りの波が押し寄せている。

 

 

 それでもいまだにコンビニと並ぶ主要販路であることに変わりはないが、販売効率が下がり、売上の増加要因が見いだせない中で、機体の入れ替えや新たなマーケティング手段の開発などへの投資が進まず、低迷傾向に歯止めがかからない。業界内では「自販機不況」とまで呼ばれる状況を呈している。

 

 そんな中で、JR東日本ウォータービジネスの躍進は出色だ。同社の飲料自販機事業は設立当初から3期連続増収を達成。

 

 前期2009年度は鉄道利用客数の減少と天候の悪化のため減収を記録したものの、今期に入って4-6月の第一4半期は対前年比105%と盛り返している(図表1)。

 

 マーケット情勢が厳しい中で、何がこうした成長を可能にしたのか。

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