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2010年11月5日

日本に宅配ピザ市場を創造したフォーシーズが手掛けるマルチブランド戦略

急成長を遂げた宅配ピザ事業も淘汰の事態へ

 

 「ピザーラお届け!」テレビコマーシャルでの印象的なフレーズを覚えている人は多いだろう。あのコマーシャルの放映が始まったのは1991年からだった。当時、宅配ピザ業界は急成長の中にあり、多くの業者が覇を競っていた。そんな中で一歩抜け出したのが、当時まだ名もないベンチャー企業だったフォーシーズの「ピザーラ」だった。

 

 1980年代半ばごろから、アメリカの食文化の中に定着していた宅配ピザが続々と日本に参入。宅配ピザを流行らせた老舗のドミノピザ、世界に3万4000店もの店舗網を持つ最大手のビザハットなども相次いで日本市場参入を果たした。

 

 資本もマーケティング力をもある大企業を向こうにまわし、「ピザーラ」は、独自に研究した「日本人の嗜好に合う味」を追求するなどして、宅配ピザの国内最大手に成長。同時に、日本人の生活に宅配ピザが定着していった。現在の市場規模は約2000億円と推定される。

 

 しかし、宅配ピザもその黎明期から20年以上がたち、右肩上がりの成長に陰りがみえ、そろそろ一つの頂点に達しようとしている。同社自身、FCを含めて全国に約540店を展開しており、宅配エリアでいえば、北海道から沖縄までの国内全世帯数に対し、約6割をカバーしている状況だ。
少なくとも、新店を出せば売り上げが上がる、という状態を維持することはもはや難しい。新境地を拓いた外食大手の先達が必ず通った道だ。どんな画期的で、斬新な業態も、いずれは成熟化する運命にある。その時に、新たな業態を打ち出すことができるかどうかが問われる。

 

 すでに大企業に成長したチェーンが、最初の成功をもたらした業態を凌駕するほどの新業態を打ち出すことはなかなか難しい。そこで、多くの場合、第二ブランド、第三ブランドの展開によって成長を維持する。それでも、大きくなったチェーンの屋台骨を支えるほどの新機軸はなかなか生まれず、成長力の衰えた第一ブランドに頼らざるを得ない状況から脱することができないことが多い。外食産業が共通して抱えるジレンマだ。

 

 フォーシーズでもこの点は先刻承知だろう。すでに宅配ピザのマーケットは大きな転換点に差し掛かっており、本格的な淘汰の時代を迎えようとしていると見る。そこで、現在を企業としての「第二期」と捉え、新たな地平を拓こうとしている。そのキーワードになるのが、マルチブランド戦略だ。

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