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第1回

2014年5月14日

接客の土台となるもの

オンライン、オフライン、業態を超えて、お客様はシビアに買い物を使い分けている。お客様に「あのお店、ちょっといくのヤだな」と思われたら、あっという間に競争脱落である。テクノロジーが進めば進むほど、「接客」が輝きを増してくる。競争が進めば進むほど、お客様にとって気持ちのいい売場、楽しい買い物を提供する技術の洗練の度合いが、真の競争要件となってくる。小売業からも指導要望の多いJAL流「接客」のエッセンスを、1000人に及ぶCAに接客の技術指導を行ってきた佐藤由利さんに教えてもらった。

 

佐藤由利(さとう・ゆり)
オフィス・ラポール代表 接客トレーナー 1991年日本航空株式会社に国際線客室乗務員として入社。 2005年チーフパーサー資格取得。主にニューヨーク、シカゴ、ロンドン、パリ路線のファーストクラスサービスを担当するとともに後進育成、CS向上プロジェクトの指揮を執る。 2010年サービス訓練教官として勤務、現役乗務員のスキルアップ訓練、1000名超の新人育成に携わる。 2013年の退職後、外資系ホテルにてマネジャーとして勤務。その後は広く接客の心と技を広めるため、独立。現在接客トレーナーとして飲食店やホテルの接客アドバイス、企業マナー研修などに尽力している。 日本に留まらず、中国でも接客講師の育成を行うなど接客力向上の啓蒙に力を注いでいる。

 こんにちは。接客トレーナーの佐藤由利です。このコラムでは私の実務経験から抽出された接客に対する信念や原則に基づき、流通業界に活かせる接客についてシリーズでお伝えしていきます。

 

 ひと口に接客といっても業種は様々です。代表的な接客業といえば、ホテルや旅館、飲食業でしょうか。私が長年従事した客室乗務員は保安要員・サービス要員という二つの顔を持ってはいますが、平時においてお客様の目により多く触れる部分をとれば接客業と言えるでしょう。もちろん流通業界で直接お客様に接するスタッフは接客業でしょう。

 

 22年間の接客経験で、私は実に多くのことを学ぶことができました。JALのお客様は、すべからくサービス品質への期待値が高いお客様です。

 

 JAL「だから」できるだろう、JAL「なのに」できないとはどういうことか、というお客様の高い期待にどうお応えしていくか常に試行錯誤する日々でした。

 

 ここで注目すべき点は二つありますが、ここでは一つだけフォーカスします。;

 

 お客様は「JALだから」と言っているのであり、「佐藤だから」とはおっしゃらないということです。つまり佐藤個人のその時の仕事ぶりがそのまま会社の評価になるということなのですね。私がヘマをすれば「これだからJALはダメなんだ」となり、私が素晴らしい対応をすれば「さすがJAL」となる訳です。

 

 これは、個人事業主を除き全ての業種で共通です。

 

 それほど一人ひとりの背負っているものは大きい、極論すれば一人ひとりがその店でありその会社ということになります。

 

 さあ、果たしてそれくらいの責任感を抱きながら、貴方のスタッフは動いているでしょうか。

 

 お客様は目の前の販売スタッフを通して、陳列をしているスタッフを通して、その店や会社を評価しているのです。そんなことわかっている、という声が聞こえてきそうですが、ではそのわかっていることを「行動化できて」いますか。表に立っているスタッフのみでなく、裏方のスタッフが帰り際に買い物をしている姿も評価されているということを「意識できて」いるでしょうか。では意識して行動につなげるにはどうすればいいのか。

 

 それは会社を存続させてくださっているお客様へ、常に感謝の気持ちを持つ、ということに尽きます。

 

 どのような会社でも、お客様あっての日々の業務継続です。

 

 その「事実」を認識し、自身の業務は感謝の気持ちを表す行動であるという原則が浸透していれば、感動のサービスを創り出すことは難しいことではありません。

 

 接客力を向上したいのであれば、お客様への感謝を全てのスタッフがしっかりと持てているかどうか。そこから徹底的に見直していく必要があるのです。

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